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冒険者 第1章 冒険のスタート@ 2012/02/19 21:46 No.0
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冒険者 第1章 冒険のスタート@ 2012/02/19 21:46 No.0
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冒険者 第1章 冒険のスタートA
ミリアは驚いた様子で目を見開いた。
「うん!もちろんほかにも何人か集めて行こうと思うんだ!」
コリンは目を輝かせてミリアに説明をする。
「で、でも。コリンって親が厳しいんじゃ・・・」
ミリアはコリンの相談を見抜いた。
「あ!そうか!それでここに来たわけね・・・」
「あ、うん。そんなところかな・・・」
コリンは情けない顔をしてうつむいた。
ミリアは腕を組んで必死に考えてくれている。2分が経過してミリアが
口を開いた。
「そうだ!夜にこっそり抜け出しなよ!ばれなきゃいいんだって!」
「え?でも・・・見つかったら・・・」
コリンは自分が情けないと思いながらもそういう。するとミリアが
「大丈夫!ほら!秘密の入り口!あんたの部屋とあたしの部屋を通ってる小さな穴があるじゃない!そこから出てくればいいのよ!」
コリンはいかにも!という顔をして
「そうか!それだ!ありがとうミリア!じゃあ僕はほかの仲間を集めてくるよ!」
「わかったわ!じゃあ今日の8時ごろにあたしの部屋集合ね!」
そういってコリンは家を出た。ミリアは玄関まで迎えてくれた。相変わらず優しい。コリンはドキドキする気持ちを抑えて次に誰を誘うかを考えていた。そして思いついたのがフォンという男の子だ。彼も気が強く運動神経もいい。いつも女の子の的で顔もイケている。頭もいいので彼を仲間に加えれば冒険が楽しくなると思い、フォンの家へ走った。
フォンの家は実リアの家から1分で着いた。ここもさほど離れてはいない。フォンの家は店を経営している。毎日大繁盛でうらやましいくらいだ。
変な話、結構儲かっているだろう。コリンは焼きもちを妬いた。
「でけぇ〜な・・・この店がフォンの家だと思うと、悔しくてたまらねぇな。」
コリンはそうは言うものの、これからこの家に入ると思うと、フォンやその家族を恨むことはできなかった。
コリンはゆっくりと店の扉を開けた。ギーッと軋む音が聞こえた。扉を開けると、店の客、店員の視線を浴びたのがわかった。肌で感じ取れるほどの
視線を浴びたコリンは気まずそうに下を向いて、フォンの部屋を目指した。
この店には、傷薬や、冒険に役立つ剣、弓矢、火薬などがある。もっと高価なものになると大砲や船なんかも売っている。買った人を見たことはないが。
木のいい匂いと、薬品の嫌な臭い。鉄のにおいなども混ざって、何とも言えない絶妙な香りを湧き出している。
「さて、フォンの部屋は3階だったっけ。」
コリンは戸惑いながらも階段を駆け上り、「フォン」と書かれた扉を見つけた。扉はコリンよりさらに高い。なにか不思議なものを感じたが、
コリンはためらわず扉を開けた。
「失礼しま〜す。」
開けた途端、フォンはこっちに首を傾けた。どうやら、剣の刃を研いでいたらしい。砥石と剣とその粉のようなものがあった。
「なんだ。コリンか。何の用だ?俺は何も売らないぜ。物がほしいなら下で金出して買え。」
とんだ勘違いをされたコリンは腹を立てて返した。
「ちげーよ!お前に提案があってきたんだよ!」
その言葉を聞くと、フォンは動かしていた手を止めてこちらを向いた。その目は燃えていた。何かに目覚めたようだ。
「提案?」
「うん。今はまだ俺とミリアだけだけど・・・冒険に行かない?」
コリンは思い切って言ってみた。するとフォンが
「冒険?どこまで?」
こちらをにらんでいるようにも見えたが、何かを求めている目だった。
「世界各地を周りたいんだ!最近退屈で、何もすることがなくてさ・・・」
まるで、エサ上げを終えた金魚のように、フォンは下を向いた。
「冒険か・・・確かにいいな。俺も行きたいと思っていた。」
予想外の言葉にびっくりしたコリンは言葉を失った。
「確かにいいな。いいだろう。世界でもどこでも周ってやろう。ココには薬も武器もそろっている。」
「本当!?ありがとうフォン!じゃあ今日の8時ごろにミリアの家に集合ね!」
フォンはこういった。
「武器、薬、食料はこっちで用意する。お前らは服装と防具をちゃんと用意しろ。寝道具も忘れるなよ?」
「わかった。ありがとうフォン。じゃ!次はゴンの家に行くよ!」
フォンは目を開いた。ゴンか・・・という顔で下を向いてこう続けた。
「好きにしろ。」
コリンにはフォンの言葉が、お好きにどうぞと投げ出しているように聞こえたが、声には出さなかった。コリンはそのことを考えつつ
ゴンの家に走って行った。これでパーティーが3人になった。
冒険者 第1章 冒険のスタートB
コリンは考えていた。もし、冒険が始まった暁にはどんなことが待っているんだろう。
みんな楽しくできるのだろうか?それとも、途中で仲間割れなんていうドラマのような
設定はあるのだろうか?楽しみだ。その時は僕がまとめてあげなければ。
と思っているうちにゴンの家へ到着。フォンの家から3分。コリンの家と変わらぬ大きさ。
「さて、ゴンを誘うか。」
コリンは慣れた手つきでノックをする。しばらくすると、ゴンが出てきた。
「おお!ゴン!俺に用?何?彼女でもできた!?」
相変わらずのゴンのハイテンションにコリンはついていけずに口を開いた。
「えっと。冒険にいこうと思う。俺とミリアとフォンとゴンの4人でいきたいんだ。」
するとゴンの表情は凍りついた。そして、瞳からは大粒の涙が零れている。
「ゴン!?どうしたの?」
「ぼ、冒険。俺の夢に見てた・・・冒険?」
「え、まあ。うん。そんなに嬉しいの?」
すると、次の言葉を発する暇もなく、ゴンはコリンに抱き着いてきた。
「コリン!!お前は神だ!これも何かの運命だ!絶対にいく!」
「ホント?じゃあ今日の8時にミリアの家ね!」
「わかった!ああああ楽しみ!!!」
するとゴンは勢いよく扉を閉めてしまった。コリンは困った顔をしたが、嬉しかった。
今宵。8時。コリンは少しの食料と短剣。そして寝道具を背負って自分の部屋に向かった。
すると後ろから物音がした。びっくりしたコリンは咄嗟に後ろを向いた。
そこには、父と母がたっていた。二人は眉をひそめてこちらを見ている。
「父ちゃん!母ちゃん!」
すると父が
「コリン。どこに行く?まさか冒険にいくのか?」
「うん。僕は、世界を周りたいんだ!世界各地の人たちの笑顔を見たいんだ!」
すると母が声をかすらせて
「コリン。あなたは昔から好奇心旺盛でとめても無駄なのはわかっています。でも今回は
危なすぎるわ!お母さんが許しません!」
「でも、僕は強くなりたい!」
その言葉に父と母は目を見開き母は涙を流した。
「あなた・・・」
「解ってやれ。コリンは強くなりたいんだ。」
「そうだ!僕が強くなったら!今度は僕が2人を守るから!」
それ以上は何も言わなかった。
「じゃあ。行くね。」
コリンは部屋の棚を移動させて直径1mほどの穴の中に入っていった。
すると父が
「待て!コリン!」
コリンはあわてて穴から出て、父のもとに向かった。
「これを持っていけ。私の剣と地図だ。冒険に役立ててくれ。」
「わかった。ありがとう父ちゃん。」
それ以上は何も言わずコリンは穴を進んでいった。
「あの子。いつの間に大人になっていたのね。」
母のその言葉に、父は何も言い返さず部屋を出た。
ミリアの部屋にはすでに3人そろっていた。
「遅いわよコリン。」
「ゴメン。」
「一応1か月分の食料と薬はある。あと、弓矢と爆弾と剣を少々。」
「うひ〜楽しみ!」
「ミリア、フォン、ゴン。いこう!世界を見つめて、強くなろう!」
「おう!」
3人は声を合わせて返事をした。コリンはもう一度穴を見つめて、ミリアの家をでた。
そして、別れを告げて村を後にした。
第2章に続く!!!!
冒険者 第2章 隣村の危機A
村を出た4人は狭い草原を歩いていた。コリンを先頭に、フォン、ミリア、ゴンの順番で歩いていた。
「ところでコリン。まずはどこに行くんだ?」
初めに口を開いたのはフォンだった。
「とりあえず一度行ったことのある隣村に行こう。そこで情報を得よう。」
コリンはそう答えた。フォンは理解したように前に向き直った。
「いやぁ・・・まさか本当に冒険が始まるなんてな〜。」
ゴンは突然口を開いた。相当楽しみらしい。それは全員一緒であろう。しかし、彼は違った。
「俺は世界を周って困ってる人を助けてみたいな・・・そして”ありがとう”を言ってもらってみたい。」
ありがとうか。そういえばしばらく言ってもらってないないな。
そういってるうちに道が変わった。草原から石ころだらけの砂利道になった。すると近くから音がした。
水の音だ。ということは・・・
「川があるわよ!」
ミリアは咄嗟に叫んだ。そして一人川に向かって走って行った。するとすぐに手を水につからして水を飲んだ。
「のど乾いてたの。あ〜おいしいわねここの水。冷たくて。ちょっと凍り付いてるけど。」
それを聞いたフォンは口を開いた。
「今は冬で気温が低いから川の水は凍りつくだろう。幸いここの川は流れが強いからあまり凍らなかったけど。
でも移動して行くたびに気温や環境は大きく変わる。今は寒いが南の方に行くと気温が高くなるし、北側に
いくにつれてさらに寒くなる。」
そうは言うが分からない。実際次の村はさほど離れてないからあまり変わらないだろう。
「へぇ〜そうなんだ。でも隣村はそんなに変わらねぇだろ。」
コリンは本音を吐きだした。事実だろうけど・・・
「あれ?ねぇ。ここおかしくない?」
いきなりミリアがしゃべりだした。
「何がおかしいんだ?」
それにこたえるフォン。
「だってほら。この地図には川が隣村の”キャナラ村”まで続いてるけど、実際はここで途切れてるわよ?」
「川が途中で途切れるなんて不自然だな。しかも端っこが埋められてる感じだな・・・ん?おい!なんだこれ・・・」
フォンは驚いた様子で叫ぶ。3人の目線がフォンの目線に合わせられる。するとそこには、いくつもの土の山が連なっていた。
高さは3mほどで結構高い。それが10,20、いやもっとある。まるで地面から掘り起こされたそうだ。
「いったいどうなってるんだ?」
「早く村にいこう!あそこには僕の知り合いがたくさんいる!もしかしたら何かあったのかもしれない!」
コリンのその言葉で4人はキャナラ村に走って行った。
冒険者 第2章 隣村の危機B
走る4人。土の山は消えない。どうなっている?
コリンはそう思ったが、恐らくみんな同じだろう。
土の山に気づいてから3分。50mほど先に村の入り口が見えた。
4人の走りはスピードを上げた。
「おい!ミリア!急げ!もっと速く!」
ゴンの言葉がミリアを急かした。ミリアはぁはぁ言いながら走る。
「よし。ついた・・・」
4人は村の前の門にたどり着いた。全員深く息を吸っていた。
しかし、休む暇などない。
「よし。村に入ろう。覚悟はいいな?」
フォンがそういうと
「う、うん。」
3人がそう答えた直後、4人は村に入って行った。
そこは、明らかに以前のキャナラ村とは違っていた。
いつもなら明るい日差しがさす村だが、暗い。
雲が幾層にも重なり、外と同じ土の山が何個もある。
「いったい。どうなってるんだ・・・」
コリンは村民の様子が気になり1人走り出した。
コリンが真っ先に向かったのは、友人”サム”の家。
木でできた、今にも崩れてしまいそうな家。
コリンは恐る恐るドアを開けた。
不気味な音がコリンの心臓を刺激する。
「なんだよ。これ・・・」
見るも無残な室内。木でできた家具は破壊され、
外のものより少し小さな土の山がいくつもある。
もちろん、そこにサムの姿はなかった。
遅れて3人が部屋に入ると、コリンと同じリアクションだった。
「何よこれ・・・」
「おいおい。どうなってんだ!?」
「これは・・・」
3人とも言葉を失う。
その後、ほかの家も調べてみたが、どこも同じ。
村民はどこに消えた?そしてこの土の山は何なんだ?
コリンは考えていた。すると・・・
モゾモゾモゾモゾ
土の中を何かが通っている。それも大きい。
コリンは黙ってそれを見ると、その動きは消えた。
「なんだ?今のは・・・」
「どうした?コリン。」
「今のはもしかして・・・モグラか!!」
3人は耳を疑った。モグラ?モグラが村を荒らすだと?
そんなことが可能なのか?
「モグラって、土の中にいるんじゃ・・・」
「そうか!わかった!」
「何がわかったんだ?コリン。」
ゴンはあほ丸出しの声でそう問う。
「モグラは土や木の下から這い出てくる。つまり、村民は
地面が土でも木でもない場所に避難している。」
「それって、どこだよ・・・」
「この村で唯一地面が石の場所・・・教会だ!」
冒険者 第2章 隣村の危機C
コリンの指示の元、4人は作戦を立てた。
ゴンとフォンはモグラさがし。コリンとミリアは教会へ急ぐ。
コリンとミリアは小さな教会の前にいた。屋根がボロボロ。
崩れてもおかしくないだろう。
「ねぇ。コリン。ここ、本当に大丈夫なの?」
ミリアが不安そうにそう言う。
「ああ、ここは石でできている。みんなここにいると思う。」
2人は入口のドアを開けた。ドアが軋む。
2人は生唾をゴクリと飲む。
コリンの予想通りだった。中には何人もの村民がいた。
数えたところ20人ほどだった。村民は全部で25人。
5人足りないことにコリンは気づいていた。
しかし、そこには村長もサムもいた。
「みんな!大丈夫!?」
コリンがそう叫ぶと、村長が口を開いた。
「おお。コリンよ。ここまで来てくれたのか・・・」
村長は今にも力尽きそうな声でそう答えた。
「いったいこの村はどうなっちゃったんですか?」
村長はうつむいた。するとサムがこちらに歩み寄ってきた。
「久しぶりだなコリン。秋の初めごろ以来だな。」
サムが話しかけてきた。顔には傷がある。服も汚れている。
「ああ、久しぶりサム。よかった。家がめちゃくちゃだったから心配したけど。」
「土竜(もぐら)族。」
2人が話していると、手前にいた巨体な男がそういった。
「これは土竜族の仕業だ。あいつらがこの村をめちゃくちゃにした。」
「おい!パグ!名前くらい名乗れ!」
サムは咄嗟にそう吐き出した。
「ああ、済まない。私はパグ。村長のボディーガードをやっている。」
「はじめまして。僕はコリン。こっちが同じ村のミリアです。」
「はじめまして。」
「それで、パグさん。いったい土竜族とは?」
「ああ、これはこの世の六族が関係している。」
パグは語り始めた。
冒険者 第3章 過去の六族@
パグは語り始めた。
「この世には6つの種族が存在する。」
「はい、知っています。」
「土竜族、水神族、火炎族、邪龍族、仔獣族、そして俺ら人間族だ。」
「この6つの種族は決して仲が言い訳じゃなかったが。
土竜族は地中、水神族は水中、火炎族は火山、邪龍族は天空、仔獣族は森。
それぞれに世界を作り出して暮らしていた。
そんな中、我ら人間族が戦争の引き金になった。」
「戦争の引き金?我ら人間が引き金になったってどういうこと!?」
コリンは完全に取り乱していた。
「落ち着いてコリン!ねぇ!あなたが取り乱しちゃだめよ!」
「ああ、ゴメン。」
「話を続ける。
30年前、我ら人間は領地を広げようと、種族に戦争を仕掛けた。」
「なっ!領地?」
「ああ。十分に領地は持っていたはずだった。でも、当時の王、いわゆる人間の神だ。
そいつはそれじゃあ足りずに、領地を広げようとたくらんだ。
最初のターゲットは仔獣族だ。一番近いという理由で、王は仔獣族を選んだ。
何百人もの人間族を引き連れて森の聖地に乗り込んだ。優れた火器や槍を使った。」
2人はただただその話を無我夢中に聞いていた。
村長は耐えられずにほかの村民と隅の方にいってしまった。
冒険者 第3章 過去の六族A
パグは語り続けていた。
「人間族の戦力と勢力により、森の聖地は地獄へと変わった。
それから仔獣族は勢力を失った。」
コリンとミリアは黙って聞いていた。
「そして、仔獣族が滅亡しかけてから1か月。次は人間族の手によって
火炎族が襲われた。火炎族も人間族の攻撃で滅亡した。
そのあと、水神族も、昆虫族も、土竜族も滅亡しかけた。
しかし、天空にまで手をかけることはできなかった。
当時は、空にいける技術はなかった。」
コリンは口をはさんだ。
「それで、今その王はどうなったんだ?」
「当時の”魏楽王”は4つの種族を滅亡させて5年。
魏楽王は行方不明になった。」
「行方不明!?」
「当時は失踪したと思われていた。でもそれは違かった。
魏楽王は闇へと行ったのだ。」
「闇?」
「そう。闇の世界。どこかわからない。この世にあるかもわからない。
それが本当に存在するかすらわからない。」
ミリアは疑問を浮かべた。
「存在するかわからないってどういうこと?」
パグは答えた。
「魏楽王の置手紙。’私は闇へと誘われた’と・・・」
コリンは推理した。
「それが、魏楽王の遺書だという事も考えられますね。」
パグは続ける。
「そして戦争から25年。このこの村に土竜族が復讐してきた。
私たちは何もしていないのに・・・」
コリンは怒りをあらわにした。
「当時の王のせいで俺たちはこんな目にあってるのか!?
そんなのありかよ!魏楽王は王なんかじゃない!
ただの卑怯者だ!」
ミリアはこうつなげた。
「そうよ!滅亡させるだけさせておいて!
逃げるなんて卑怯よ!」
コリンは否定した。
「違うよミリア。種族は滅亡なんかしてない!
僕がさせない。僕が、救って見せるさ!」
パグは驚いた様子だった。
「何を言ってる!?無理だ!君一人じゃ・・・」
コリンは叫んだ
「僕は!卑怯者に負けたくはない!!!」
コリンのその言葉に教会内の全員が息をのんだ。
コリンは、覚悟を決めた。
冒険者 第4章 土竜族の戦術@
コリンは覚悟を決めた。全員その言葉に嘘はないと思った。
そして、村長はコリンにこう告げた。
「おぬしは、勇者じゃ。おぬしほどの勇者はいない。
頼む。救ってくれ。この世界を・・・」
コリンは
「はい!分かってます村長。僕は、魏楽王を許さない!」
するとサムが
「そういう事なら俺も行くぜ。お前と一緒に。
セリーヌも土竜族に連れてかれちまった。」
「セリーヌが!?」
するとミリアは問う。
「セリーヌって誰?」
「セリーヌはサムの友達の女だ。もう彼女だけどね」
「ちげぇよ!何変なこと言ってるんだよ・・・」
サムは照れ隠しをした。
すると今度はパグが
「私も行く。私の部下4人が連れてかれた。
大丈夫。私には特性爆弾があるさ。」
コリンとミリアとサムとパグは誓った。
一方、フォンとゴンは村の山の頂上にいた。
「いくら土竜でもここまでは登ってこれないだろう。」
2人とも傷だらけだった。ここまで登るのに土竜の攻撃を受けた。
土竜はただの土竜ではなかった。まるで人の顔のような土竜。
それぞれ髪が生えており、色もそれぞれだった。
「どうするんだよフォン。俺もう動けねぇ・・・」
ゴンは情けない声を出していた。
「待て、今考えてる。お前も何か考えろ・・・」
その時だった。2人の足元から土竜の爪が伸び出てきた。
「なっ!?こんなとこまで・・・」
土竜の爪はフォンの胸を直撃した。
「ぐぉああああ!」
フォンの胸からは赤い血が流れ出る。
ゴンは見てられなかった。
「フォン!血ぃ出てるぞ!大丈夫なのか!?」
「気にするな・・・傷薬はもってる。それより自分の身を護れ・・・」
ゴンはその言葉で我に返り、剣を構えた。
すると下からフォンの血で染められた爪が伸び出てきた。
ゴンは爪に向かって剣を振りかざした。
「うおりゃあ!」
ゴンは勢いよく爪を斬りつけた。すると爪は音を立てて折れた。
「うがあああああ!」
土竜の声がはっきりと聞こえた。
それを確認したゴンはフォンを背負って家の屋根に上った。
さすがに2人はきついのか、屋根はミシミシと音を立てた。
「おい!フォン!大丈夫か?」
「ああ。あいにくうちの薬は出来が良くてな・・・
痛みはもうない。血も止まった。問題ない。」
少し強がりにも見えたが、冷静なフォンにゴンは嫉妬していた。
なぜこうも冷静でいれるのか。不思議だった。
地面は土竜の動いた後と土の山でいっぱいだった。
冒険者 第4章 土竜族の戦術A
屋根に上った2人は下の様子をうかがっていた。
土竜族は土の中を蠢いていた。
「おいおい。これ降りられねぇよ。どうするフォン。」
「屋根をつたっていけば協会の屋根に登れるかもしれない。」
「そうか。じゃあ行こう。行けるか?」
「ああ。」
ゴンはフォンを背負ってわたっていく。
すると、1つだけ屋根のない家がった。
2人は立ち止まった。
「おい!どうする?やべぇよ・・・」
「任せろ・・・」
するとフォンは1人で屋根のない家の中に飛んだ。
「おい!フォン!何やってんだ!?あぶねぇぞ!」
ゴンが飛び降りようとすると。
「やめろ!お前は来るな!俺がここで土竜を食い止める!
その隙に俺の後ろから隣の屋根に飛び乗れ!お前がコリンとミリアたちを呼べ!」
「でも・・・」
「はやく!」
その直後だった。ゴンの登っている屋根のすぐ近くの壁から
土竜の爪が伸び出てきた。ゴンは肩を切り裂かれた。
その土竜は壁からはい出て初めて全身をあらわにした。
「ゴン!」
フォンは叫んだが、すでに土から全身を出して立っている土竜族に囲まれていた。
「くそ!」
ゴンは、肩を押さえて地面に倒れこんだ。
「お前らは人間族だ!俺らがお前らを”ボス”のところに連れて行く!」
赤髪の土竜族がそういった。
「俺は、小部隊の体調をやっている”モグ吉”だ。」
「お前らの・・・目的はなんだ・・・」
「とぼけるな!お前らもあの憎き王の下部だろう!」
フォンは何も言えなかった。
王?下部?どういうことだ?今の人間族の王は”白夜王”。
とても優しい筈だ。その王の下部が土竜族に襲われる?
何を言っているんだ?
「待て!話が見えない!俺は下部じゃない!旅人だ!」
「信じるものか!我々もその言葉に騙された!」
フォンはどうしていいかわからなかった。
考えるのもやめた。
その時、遠くから大きな音が聞こえた。
バアアァアン
何かが爆発したのか!?フォンは音のした方に振り向くと、
そこには爆弾を持った大男とコリンと同じくらいの男とコリンがいた。
大男が爆弾で地面を爆発させたのだ。
「これは爆弾だ!地面を破壊できるほどのな。
お前ら!巻き込まれたくなければ全員出て来い!」
その言葉を発してからおよそ10秒後に土竜は次々と姿を現した。
するとコリンが口を開いた。
「聞いてくれみんな。僕たちは王の下部じゃない。
あの王は25年前に行方不明になっている。」
「なに!?行方不明だと!?今も人間族を支配してるのではないのか?」
モグ吉が叫んだ。
「違う!それはもう昔の話だ。パグから聞いた。みんなは前の王に
滅亡されかけた。それで復讐をしてるんだろ!?」
「じゃあ・・・お前らは何も知らないのか?」
「ああ。僕らは悪くない。みんなも悪くない。悪いのは全部魏楽王なんだ!」
土竜族は言葉を失い、泣き出すものもいた。
するとモグ吉がコリンに話しかけてきた。
「俺はモグ吉。お前らに頼みがある。聞いてくれるか?」
「うん。」
冒険者 第5章 地中界@
「お願いってなんだ?」
「俺らは”地中界”で生活している。食料もすべて地中のモノ。
寝床も全部そうだ。」
フォンはゴンの方に薬を塗りながら話を聞く。
ゴンは目を開けない。
「そんな地中界では、土竜族の王が眠っている”地中殿”があるんだ。
そこには王がいるんだが、その王が目を覚まさないんだ。」
「土竜族の王は確か、”モグ郎”だっけ?」
「ああ。その”モグ郎”さまが、目を覚まさない。眠ったままなんだ。
俺らはもしかしたら死んでしまったのでは?と思ったけど、息はあった。」
コリンは質問してみた。
「なにか無かったの?ほら。最近地中界でなにかあったとか。」
するとモグ吉は何かを思い出したような表情をして話した。
「そういえば。王の額に何か黒い光があったような気がした。」
「黒い光?」
「ああ。なんか、不気味な光だった。それを調べようと思って触れた瞬間に、
俺らは飛ばされて、気づいたら地中殿の入り口で眠っていたんだ。
扉は固く閉ざされて、どんな術を使っても開くことはできなかった。
そこで俺は、”ボス”に相談したんだ。」
「ボス?王のほかにもいるのか?」
「ああ。ボスの名前は”モグ衛門”。王の側近だ。
そのボスに相談したら、熱心に地中界の資料を
調べつくしてくれた。そしたら、資料にはこう書かれてたそうだ。
”闇の光のカギ。勇気で開くべし”って・・・」
「闇の力!?まさか、魏楽王と何か関係があるんじゃ・・・」
するとフォンが疑問を投げかけた。
「さっきから王がどうのこうのとか・・・
いったい25年前に何があったんだ!?」
コリンはパグから聞いたことをすべて教えた。
フォンはすぐに理解できた。
「もしかしたら、まだ魏楽王は生きていて、その闇を利用して
何かをたくらんでるんのかもしれない。」
するとモグ吉が
「そうだとしたら、大変なことになる。
30年前の悲劇を繰り返したくはない。」
冒険者 第5章 地中界A
コリン、ミリア、フォン、パグ、サム、モグ吉、その他の土竜族は
全員地中界にいた。
「つーかここマジででけぇな・・・地下水路みたいなところかと思ったけど・・・
もうデカイ村じゃん。」
サムは口を開いた。
「確かにデカいな。ところどころに家がある。土でできてるな。」
パグがそう答えた。
ゴンは肩をやられてまだ目を覚まさない。誤解をしてけがをさせてしまった
土竜族は、土竜医師の”モグ次郎大先生”に頼んで完治させてもらっている。
「本当にすまねぇ・・・俺たちは誤解してお前らの仲間を傷つけてしまった。
申し訳ねぇ・・・そのうえお願いなんて・・・」
モグ吉は必死に謝る。
コリンは答える。
「いいんだ。ゴンだって生きてるし、今だって治してくれてるじゃないか。
お願いだって、俺は魏楽王が許せないから・・・そのヒントになるかも。」
するとフォンが口を開いた。
「おい。コリン。どういうことだ?」
「ああ。俺、この冒険の目的が分かった。これはもしかしたら運命かもしれない。
オレ、魏楽王を探す。」
するとミリアが、
「あたしも。あいつは許せない。」
そんな話をしているうちに地中界の広場に到着。
冒険者 第5章 地中界B
広場は、とてつもなく広い。土でできた家のほかにも、石でできた家や、木でできた家もある。
そんな家が数多くある中、奥に大きな宮殿のようなものが見える。あれが地中殿だろうか?
いったい何年かけてこの大都市を作り上げたのだろうか?土竜族は当たり前のように
体を出して歩いていたり、物を運んでいたり、寝ていたりしている。
25年前に戦争があったなんて思えない。しかも、これが6族の中で一番小さな世界などというと
嘘のようだ。これほど大きな都市がありながら6族で一番小さいなど、贅沢だと改めて思う。
「でさ、地中殿っていうのはあの奥の大きいやつ?」
コリンはモグ吉に疑問を投げかけた。
「ちげぇよ。あれは俺らの家だ。」
「は!?お前らの家!?デカイな・・・」
「当たり前だろ?20人くらいで暮らしてるんだから。」
それもそうだ。コリンは少し恥ずかしかった。
「とりあえず、俺らの家に入れてやるよ。」
「あ、ありがとう。」
コリン、ミリア、フォン、パグ、サム、モグ吉の6人は家に入っていった。
すると突然パグがしゃべりだした。
「そ、そうだ!おれの部下はどこにいるんだ!?あんたらが連れ去ったんだろ!?」
続いてサムも
「そうだよ!セリーヌは無事なのか?」
するとモグ吉は気まずそうにこういった。
「言いづらいけど、5人はどこかにいっちまった。
俺らが地上に上がっているうちに、別のやつらに連れていかれたんだ。」
「何だと!?ほかのやつらって・・・まさか魏楽王?」
するとフォンが語りだした。
「その可能性は否定できない。もしくは自分たちで地上に逃げたという可能性もある。」
サムは険しい顔で叫んだ。
「ふざけんな!逃げただって?何の根拠もないじゃないか!もしセリーヌに何かあったら・・・」
「落ち着けサム。これはあくまで推理だ。」
「だけど・・・」
2人が言い争っていると、突然家のドアが激しく開いた。
「リーダー!大変だ!!!ボスが!地中殿に引きずり込まれちまった!!」
「何?どういうことだ!?」
「と、とりあえず地中殿に来てくれ!」
緑の髪の土竜族は、そう告げると家を飛び出した。
「ボスに何かあったんじゃ・・・みんな!ついてきてくれ!地中殿に案内する。」
「わかった。」
6人は走り出す。コリンは焦っていた。もしかしたらセリーヌも地中殿に引きずり込まれたんじゃないかと。
そんな気がしてならなかった。
しばらく走って、大きな建物が見えてきた。モグ吉の家とは比べ物にならない殿。
神殿のようだ。しかし、入り口には禍々しい黒いオーラが漂っていた。
「なんだこの黒いのは・・・」
サムはそういう。
「これがお前らの言う闇の力だ。以前より大きくなっている。」
「どうするんだ!?」
「確か、”闇の光のカギ。勇気で開くべし”」
「勇気ってなんだよ・・・」
するとフォンは考え込んで、こう述べた。
「コリン!お前の勇気だ!お前が言う’魏楽王を探すという運命’に関係しているのかもしれない!」
「僕の・・・勇気?」
コリンはなぜかわかる気がした。父からもらった剣を掲げた。
すると、剣は青い光を放った。眩しい。コリン以外の5人は手で顔を伏せるしかなかった。
「なんだ・・・この光は・・・」
コリンは、青い光を放った剣を扉に斬りつけた。
すると、扉は音を立てて開いた。
コリンには、何かの声が聞こえていた。
『殿内の闇は、敵の闇。殿内の敵を打ち砕き、闇を救ってください』
”闇を救う”。
この言葉の意味は分からないが、コリンはこれから地中殿で”戦い”が待っていることを覚悟した。
冒険者 第6章 地中殿のカラクリ@
コリンは、一度は立ち止まって後ろを向いたものの、みんな覚悟を
決めていることがわかると、殿の中に入っていった。
入るとわかった。広い。天井が高くて、わずかしか確認できない。
「やっぱり・・・怖いな・・・」
サムはそういうが、みんな真剣だった。
するとミリアが提案をした。
「あのさ。ここでの目的は、村長とボス、そしてあの5人を探すことでしょ?
だったら分かれて探さない?」
そういうミリアに対して、フォンは咄嗟に叫んだ。
「それではだめだ!奥にはどんな奴らがいてどんなものがあるかわからないんだ!
危険すぎる!」
「でも!私たちだってみんなを探したい気持ちはみんなと一緒!
覚悟はしてる!女だからってなめないでよ!」
「そういわれても・・・主導権はリーダーにある。そうだろ?コリン。」
「分かれて探そう。」
コリンは冷静にそうはなった。
「なに!?正気かコリン!危ないぞ!」
「解ってる!でも!僕らは覚悟している!”守られるための冒険”なんか僕はしない!
これは”護るための冒険”だ!!!!」
コリンはそう叫ぶと、沈黙が続いた。
そして、フォンが口を開いた。
「そうか。分かった。その代り死ぬな。」
「絶対に死んじゃダメ!」
「3方向に分かれよう。俺とパグ、ミリアとフォン、モグ吉とサムでいいか?」
するとサムが
「俺は構わないぜ。」
パグも続いて
「私も、不満はない。」
そしてコリンが
「よし!じゃあ・・・みんな!絶対死んじゃダメだ!」
「おう!」
6人はそういって3方向に分かれた。コリンとパグは中央を、ミリアとフォンは右、モグ吉とサムは
左に走って行った。
一方。地中殿の最深部では・・・
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
何かが起きていた。
冒険者 第6章 地中殿のカラクリA
コリン、パグチームは、中央の扉を開いて進んでいた。
その部屋は村で見た土の山が多く連なっていた。しかし、村のものよりも
更に大きく、先が見えないほどだった。
「ずいぶん大きいですね。」
「うん。でも、大丈夫だろう。」
2人が足を動かした瞬間。何か物音がした。
「なんだ!?」
「サ、ササリだぁ!」
コリンは剣を構えた。飛びついてきたサソリに一太刀。
サソリは不気味な鳴き声を放って真っ二つになった。
「なんですか?今のは・・・」
「まだだ!油断するな!!」
すると今度は数えきれないほどのサソリが土の山から飛び出てきた。
大きいものや小さいもの。多くのサソリが出てきた。
「やべぇ!これは・・・うわあ!」
「コリン!大丈夫か?」
コリンはサソリの尾で肩をやられた。
痺れが伝わってきた。やがて、指一本動かせずに倒れこんだ。
「コリン!」
「ば、爆弾だ。爆弾を使え」
その声にパグは爆弾の導火線に火をつけて投げた。
サソリはすべて爆弾に向かって集まっていった。
「伏せろ!コリン!」
パグはコリンを覆って逃げた。
ドォォォォォォォオン
激しい爆音と飛び散る瓦礫や土埃。
2人は咳をしながらも、なんとか無事だった。
「無茶言うねぇ・・・コリンも・・・」
「い、いいだろ?助かったんだから・・・」
「そうだな。ありがとう。それよりけがは!?」
「大丈夫だ。今の爆風で毒が飛んだ。おそらくこのサソリ。熱に弱い。」
コリンとパグは立ち上がって土の山を通り過ぎていく。
足場が爆弾で壊れた瓦礫などでほとんどなかった。
よろけながら歩くこと3分。次の扉にたどり着いた。
「よし。次に行こう。」
コリンのそのセリフで、パグは扉を開いた。
みなさん。
今日限りで「冒険者」の連載を終了したいと思います。
もし応援してくれていた人がいたなら、ありがとうございました。
そしてすみません。
でも、これからは
「トワイライトプリンセス」を連載するよ〜
これからも4649