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「未来」ビデオ  ( 小説投稿城 )  
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菜夜★dkv9yxZSxH2

 「未来」ビデオ……。
 それは、「未来」が見えるというビデオ。

 もし、あなたの手にあれば……あなたは「未来」ビデオを観たいと思いますか?

 もし、そのビデオを見てしまったと言うのなら……
 近日……よからぬ事が待っているかもしれません。


 それでもそのビデオ……観たいと思いますか?

2008/01/13 19:27 No.0
ページ:  削除依頼

 
 
菜夜★dkv9yxZSxH2

 奥中 衣久。十五歳。趣味は……ビデオ鑑賞。
 
 暇さえあれば、ビデオ、ビデオ、ビデオ……。ほとんどがビデオ。

 弟には、「ビデオ女」と呼ばれている。

 一つ古い「ビデオ」にこだわる理由は特にない。

 DVDプレーヤーがない訳ではない。

 ただ、気が付けばビデオにハマっていた自分がいた。

 今時の高校生と見た目は変わらない。

 
 そして、私の人生は……あのビデオを観た日から狂い始めたのだった……。

 

 

 

2008/01/13 19:44 No.1

菜夜★dkv9yxZSxH2

 第一話「ビデオ女」



 「おい、ビデオ女!」

 私はそんな我が弟、尋高の呼びかけは無視して、

 いつものリサイクルショップで買ってきたホラー映画をベットで

 うつ伏せになりながら真剣になって観ていた。

 「お前、勉強しろよ!」

 今日、一度も机と向かっていない尋高には言われたくない言葉だ。

 「黙れよ、いいとこなんだから!」

 画面から目を話さず、私は口を開く。

 そして私は思う。

 弟の口の悪さはきっと私から移ったのだろうと……。

 「はぁ? どこがいいとこなんだよ! さっさと画面を消せ!」

 そしてなぜ、こんなに口うるさいのかというと、
 
 ホラー映画が全くダメだからだろう。

 情けない男。

 「嫌なら尋高がで出てけばいいじゃん」

 「うっせー、ここは俺の部屋なんだよ!」

 その言葉に、負けじと私も言い返す。

 「黙れ、自己中! この部屋は私のでもあるの、アンタだけのものじゃないの!
  
  お分かり? おばかさん」

 高校生になっても中二の弟と同じ部屋なんて

 全国中探したら何人見つかるのだろうか?

 きっと、数え切れる位だと思っている。

 いや、私の家だけかもしれない。

 よく、受験勉強を成し遂げれたのか不思議にも思う。

 世の中分からない事だらけ……。



 結局、尋高との口げんかのおかげで

 ホラー映画に集中できなかったのは言うまでもない事実です。
 

 

2008/01/13 20:05 No.2

菜夜★dkv9yxZSxH2

 「はぁ、最悪!」

 私は、学校に着くなり友達の佐藤 愛美に昨日のことを聞いてもらった。

 「何でよ、あんなカッコいい弟もって嬉しくないの?」

 愛美のマイブームは、きっと「カッコいい男」に違いない。
 
 「別に、カッコいくないよ。TVに出てる人たちの方がカッコいいよ」

 「てかさ、いいよね。衣久は」
 
 「は?」

 何がいいのかサッパリ分からない。

 「いや、そんな一日中ごろごろして何で学年一位の頭なのよ?」

 「別に……今回のテストは三位でしたよ」

 「それでも三位とかありえないから!」

 私は一日中ごろごろしているわけではない。

 親は厳しくて、部屋にテレビを置いてくれたのは

 私立の中学の受験を成功したからだ。

 高校生になっても、門限が付いている。夜9時まで。

 一位から三位になったことを知らせると、正座で一時間説教された。

 二位下がったぐらいで別にどうってことないのにね。

 そんなこんなで、昨日はビデオを一本しか観ることが出来なかった。

 おまけに、集中できなかった。

 最悪な一日でしたよ、昨日は。


 「あ、愛美! いつものリサイクル店行こうね!」

 「またぁ〜?」

 文句を言う愛美だけど、

 根は凄くいいやつだから何だかんだ言って付いてきてくれる。

 そんな親友の幼馴染。


 

 

 

2008/01/13 20:51 No.3

美來★9arUClksZj6

題名にひかれて来ましたww↑↑もしやっ!初コメ!?

未来ビデオかぁ〜〜名前が美來(みらい)だし見るかなww((関係ねぇーー

でもっ!我慢!びみょうに怖いョ!

菜夜って呼んでいい??美來ってよんでいいョ!

みぃ とも呼ばれてるからどっちでもok!!

で、また更新がんばってください↑↑

更新のたんびに見に来ますwwでゎでゎばいちゃ!!

2008/01/13 20:57 No.4

菜夜★dkv9yxZSxH2

初めまして。

美來サン、コメントありがとうございます!

そうですねぇ、微妙に怖いですな。。
あ、字とか間違えてますけどごめんなさい!

これからも、末永く(? 宜しくです。
あ、普通に呼び捨てでいいですよ!
みぃって可愛い。←ェ

2008/01/13 23:35 No.5

菜夜★dkv9yxZSxH2

 第二話 「未来ビデオ」

 「てゆーかさ……ここに来るたんび思うんだけどさ……」

 放課後、愛美と約束していたリサイクル店へやって来て早々、

 愛美が口を開いた。

 「何?」
 
 私は、格安のビデオコーナーを見ながら適当に言葉を発した。

 「やっぱさ、ガラクタばかりだよね」

 「まぁ、私も初めてきた時はそう思った……。でもちょっと古い店ってのがいいのよ」

 「ふぅ〜ん」

 愛美は、辺りを見回しながら二、三回頷いた。

 「ホラ、愛美もこっち来てよ。面白いのあったら一緒に見ようよ!」

 愛美をこっちへ呼ぶと、愛美は呆れたような顔でこっちへやって来た。

 「こんなのどう?」

 最近ハマっている、ホラー系の作品を進みてみると愛美は眉間に皺を寄せて

 「赤い人形……の雪女ぁ? なんじゃこれ……」

 と言った。

 「面白そうじゃない?」

 微笑んでそう訊ねると、愛美は微笑み返してきた。

 「うん、あんたバカだよね? あ、ホラこんなのとか題名的に面白そうじゃない?」

 「え? どれどれー?」

 愛美が指差した作品は、

 黒いビデオパッケージに白い字で『「未来」ビデオ』と書いてあるものだった。

 「何コレ? 案外つまんないよ、そういうの」

 私がそう忠告すると、愛美はそのビデオを棚に戻した。

 「他の探そうか……」

 それから、十分ほどビデオコーナーでうろついていると愛美がこういった。

 「ねぇ、もうそろそろいいんじゃない? 二本だっけ? 借りるの」

 「うん、そうだよ」

 すると、愛美はジェスチャーをつけながら

 「先、レジ行ってて。私、やっぱあれ見たいから!」

 と、奥へ行ってしまった。

 私は、首をかしげながらレジの方へと向かった。

 

 

2008/01/13 23:56 No.6

兎亜★Ada5nB9iq1I

未来ビデオとかめっちゃみてみたいですね!!笑
愛実ちゃんみちゃうんかな??
めちゃきになります!!
あと、衣久の弟の名前の読み方教えてください〜
すいません・・。

2008/01/14 11:23 No.7

菜夜★dkv9yxZSxH2

更新遅れてすみません!

今までスキー場行ってて……;


兎亜 サン>>コメ、ありがとうございます。
     えっと、衣久の弟の名前は「ヒロタカ」です。

 これからも、頑張りますので応援してくれたら嬉しいです!

2008/01/14 21:40 No.8

菜夜★dkv9yxZSxH2

 「ねぇ、愛美?」

 リサイクル店を後にし、私の家に向かっている途中だった。
 
 「何?」

 私は、先ほどリサイクル店で愛美が買ったビデオについて訊ねてみた。

 「みたいヤツっていったい何だったの?」

 愛美は、「あぁ、そのこと……」と言ってから袋の中からビデオを取り出した。

 「これだよ」

 それは、先ほど見た『「未来」ビデオ』というビデオだった。

 「何で、買ってるの……?」

 「何でって……噂を思い出したからよ」

 愛美は、自慢げにそう言った。

 「噂って? なに、どんなの?」

 「衣久も聞いたことない? このビデオの話」

 そんな話は、一度も耳にしたことがない。
 
 私は、首を横に振った。

 「そう。でさ……このビデオ……題名の通り「未来」が見えるビデオなの」

 「は?」

 思わずその言葉を発した私の顔はきっとマヌケ面に違いない。

 「そんな顔しなくたって……」

 愛美は、笑いを堪えていた。

 「で、それってただ「未来」が見えるだけなの?」

 愛美は、少し間を空けこう言った。

 「……うん、そうだよ」

 「そんなの、信じてるの? 愛美……」

 私は、愛美がおかしくなったのかと思った。

 だって、愛美は現実にはありえないようなものは一切信じていないから……。

 たとえ、幽霊が存在しても、その幽霊が愛美の目に映っていても

 愛美は、決して「幽霊」という存在を信じないと思う。

 彼女は、そういう人間だ。

 たまに我が道を突っ走りすぎて、正しい道を教えるのにも苦労がかかる。

 愛美は、笑顔でこう言う。

 「うん!」

 それは、彼女が生まれ変わった瞬間にも思えた。

 

2008/01/14 22:01 No.9

菜夜★dkv9yxZSxH2

 第三話 「変化」

 もし、本当に「未来」というものが見れるとしたら……

 そりゃぁ……観たい!

 そう、開き直った私は昨日愛美とこんな約束をした。

 「あのさ、それ観終わったら貸してくれない? 私に」
 
 「え? あ、うん。いいよ」

 驚いた表情を愛美は一瞬見せたが、すぐにいつもの優しい顔に戻った。

 「約束だよ!」

 
 

 私は、面白半分であのビデオを観ようとしていた。

 でもそれは、間違い? 

 誰でも、未来が見えるのならきっとあんなことにはならなかっただろう。

 






















                   それでもやっぱり愛美は……。

 

2008/01/14 23:01 No.10

菜夜★dkv9yxZSxH2

 「起きろゴラァ! いつまで寝てんだよ! バカ女」

 気持ちよく寝ていた私は、その尋高の「バカ女」でスッキリと目が覚めた。

 仰向けになった身体を、起し尋高に怒鳴った。

 「……誰がバカ女だよ! あんたより頭いいわ!」

 なぜか、弟の会話の時だけ口調が悪くなる。

 これは、一種の「癖」というものである。

 「癖」はそう簡単には離れない。いや、憎い弟だから離れなくて良い。

 「はぁ? ちげぇよ、バカは勉強のバカじゃなくて常識が抜けてんだよ、テメェは!」

 「あんたより、先に生まれたお姉様を

 「テメェ」だなんて呼ぶのはいけませんよ? ひろく〜ん?」

 「キモッ。つかどこにいんだよ? 「お姉様」は!」

 私は、親指を自分に突きつけた。

 「ここにいんだろ? あぁ? 目腐ってんじゃないの? 眼科行け、眼科!」

 「そうか。じゃぁお前は病院行って適当な薬でも飲んでろ! 

 治るぞ? その水分の無くなったトマトみたいな脳は治るんだぞ?」

 「黙れ! お前の脳みその方が直した方が良いよ? そのうち頭変形してくよ?」

 




 ……奥中 衣久。

 私の朝は、いつも……







             弟のケンカから始まります。

2008/01/14 23:18 No.11

菜夜★dkv9yxZSxH2

 弟とのケンカを終わらせ(強制)私は、小走りで学校へ向かった。

 なぜか、凄い楽しみなのだ。

 何がって?

 それは、愛美が買ったビデオの事。

 約束したから今日持ってきてくれるはず。

 早く、自分の「未来」が見たい。見てみたい。

 どんな未来が待っているんだろう?

 
 私は、胸を膨らませていた。

 

 「おっはよ〜」

 いつもより、テンション高めの私。

 いつものように、愛美に挨拶をした。

 だが、愛美からの返事は……無い……。

 「……愛美? どうしたの?」

 そう訊ねると、愛美は私のほうを睨みつけこう言った。

 「黙ってくれない? ウザイんだけど。私の前から消えて……」

 その愛美の口から出た言葉が信じられなかった。

 「え……愛美?」

 愛美は、席から立ち私の頬をビンタした。

 もの凄い音がし、クラス中の視線が集まる。

 「何、ケンカ?」、「中良かったのにね」などとコソコソと周りの声が聞こえてくる。

 私は、ビンタされた衝撃と今の現実が読み込めないで地面に尻餅をついた。

 「なんであんたが! あんたが殺したんだ! 人殺し!」

 意味不明な言葉を残し、愛美は教室を出て行ってしまった。

 私は追いかける事もできず、まだこの状況が理解できなかった。

 
 私が……殺した?

 人……殺し?

 誰を?


 私は……誰かを殺しましたか……?



 

2008/01/14 23:42 No.12

菜夜★dkv9yxZSxH2

 第四話 「未来」


 あの後、私は……。

 ずっと地面に座っていて、担任の教師が来るまでその体勢だった。

 「おい、奥中? 何してんだ、そんなところで」

 先生の呼びかけで、私は身体を起し走って教室を出た。

 「奥中!」

 先生の呼び止める声は気にしない。ただ、今の状況は全く理解できない。

 だから、理解するために私は愛美を探さなくちゃいけない……。

 私はそう思った。

 玄関に行き、愛美のロッカーを覗いて見る。

 「学校には……いない」

 私は、急いで外靴に履き替え鍵のかかった扉を開け、一気に外に出た。

 「どこ……愛美……」

 私は、走りまわった。

 このモヤモヤを解決するために。

2008/01/15 12:21 No.13

菜夜★dkv9yxZSxH2

 結局、愛美はどこにもいなかった。

 携帯に電話しても、繋がらない。

 さっきからメールをしていても、一切の連絡は無い。

 愛美の家に行っても、帰って来ていなかった。

 「どこに……いるの……愛美」

 息を切らしながら、無意識に呟いていた。

 気が付けば、辺りはもう薄暗い。

 私は、明日学校に愛美が来ることを願って家に帰ることにした。

 
 帰り道、公園を横切ると誰かがブランコに乗ってた。

 「愛美……」

 そう。それは愛美の姿だった。

 「愛美!」

 愛美のそばに行くと、彼女は顔も上げずにただひたすら涙を流していた。

 その姿を見て、私は何も言えなかった。

 「……れるの……」

 愛美が口を開いたが、何を言ったのか聞き取れなかった。

 「え?」

 「殺されるの私……」

 朝、愛美に言われた言葉を思い出した。

 「……わ、私に?」

 私がそう問いかけると、愛美はコクリと頷いた。そしてこう言った。

 「私、自殺しちゃうの……いつかは分からないけど」

 「どうしてそんなこと、分かるのよ!」

 「ビデオ……観たの……」

 でも、不思議に思う。

 自殺するんなら、私が殺したことにはならない。

 私は思ったことを口にすると、愛美はこう答えた。

 「あのね、自殺する理由が衣久にあるの……」

 「なんで……?」

 「私にも……分からない。でもビデオを観た時最後に文字が流れてきたの」

 愛美はそこで言葉を終わらせ、また続けた。

 「あなたは、親友の「奥中衣久」が理由で自殺しますって」

 「でも、理由だから……人殺しにはならないでしょ。私」

 「衣久が理由で死ぬのよ? あなたは人殺しになるんじゃない?」

 

 私は思う。

 どうして「人」は生きているのですか?

 どうして「人」はいつか死ななくちゃいけない運命なのですか?

 どうして「人」は言葉を持っているのですか?

 どうして「人」は……生まれ変われないのですか?

 
 神様がいるのなら、分からないこと全部教えてください……。

 

2008/01/15 12:56 No.14

菜夜★dkv9yxZSxH2

 第五話 「約束」

 「約束……するよ」

 私は、愛美と約束をした。

 『愛美を絶対に死なせない』

 親友だから。ずっと今まで一緒にいたから。

 ケンカしてもまたすぐ仲直りできたから。

 だから、絶対に死なせないと誓った。

 
 「ありがとう」


 愛美はそういって、微笑んだ。

 

2008/01/15 13:31 No.15

紅白聖★BWgS7HdxYd2

読みました。
「未来が見えるビデオ」って、あまりない考え(??)で凄いと思います。
私には考え付きません。
また見に来ますね。
あ、もしよければ、私の小説にもきてくださると嬉しいです。
では、頑張ってください。

2008/01/15 13:38 No.16

菜夜★dkv9yxZSxH2

紅白聖サン>>どうも、初めまして。

紅白聖サンの作品も凄かったです。現実にありそうで!

応援ありがたいです。
お互い、これからも頑張っていきましょうね!

コメントありがとうございました!

2008/01/15 13:58 No.17

菜夜★dkv9yxZSxH2

 第六話 「出会い」

 あっという間に、高校一年生は終わり

 四月から私たちは高校二年生になった。

 そして、クラス替えが行われ、私は前回と変わらず一組に。

 愛美は、二組になってしまった。

 「まぁクラス隣だし、遊びに行くね!」

 あの、ビデオの件があってから、私たちの友情はもっと深くなっていった。

 なんだか、愛美はビデオの件のことをまだ引きずっているようで

 ちょっと私に気を使っているようだ。

 そして、クラスに新しい友達が出来た。

 新井 七緒という可愛い女の子。

 ちょっと天然で、セミロングがとても似合うバカに「お」が付く子だ。

 知り合ったきっかけは、席が後ろでとても気が合うか。

 

 「ねぇ、衣久ちゃん?」

 七緒が、暇な数学の授業の時話しかけてきた。

 「何?」

 ちなみに、私たちは小声で話しているわけではない。

 その逆に、周りがうるさく、いつもより少しボリュームを上げて話している。

 理由は、数学の顧問の高橋 竹尾がキモイからだ。

 全く授業になっていない。

 高橋は、「たけおとこ」と呼ばれている。通称「竹男(たけお)」。

 そんな竹男の、授業は誰一人として聞いてなどいない。

 私は、こんなヤツの授業を聞いていたらきっと学年100位以下だろう。

 お母さんに、ぶっ殺される。

 それどころか、弟の尋高にまで踏み潰されてしまう。

 そんなことは、私のプライドが許さない。

 
 そんなこんなで私は後ろを向き、そう答えると、

 「今日の放課後掃除サボってカラオケ行かない?」

 と、七緒が珍しく遊びに誘ってきた。

 行きたい所だけど、今日は愛美との約束がある。

 「あ〜ごめん。今日違う子と遊ぶ約束してるんだ」

 すると、七緒は両手を合わた。

 「お願い! それって七緒もいちゃダメ?」

 七尾は、遊びたいらしい。

 「まぁ、私はいいけど……」

 「あ、その子にあとで聞いてもらえる? 七緒も行くからさ!」

 この強引さにはちょっと負ける。

 「いいよ……?」

 

2008/01/15 14:22 No.18

菜夜★dkv9yxZSxH2

 放課後、私と七緒は愛美のいる隣のクラスに行ってみると

 愛美は、掃除をしていた。

 「あ、愛美!」

 そう呼びかけると、愛美は手に持っていた塵取りを床に置き、こっちに向かってきた。

 「何? どうしたの? 私掃除当番……」

 「うん。それはいいんだけどさ。放課後遊びに行こうって約束したじゃん?」

 「あぁ、そのこと?」

 「そう。それでさ、七緒も行きたいって言うんだけど……いい?」

 すると、愛美は満面の笑みで喜んだ。

 「ホント! 全然いいよ! 人数いたほうがいいし、それにもう一人いるしね!」

 「もう一人?」

 私が、そう訊くと愛美は答えた。

 「杏奈って子なんだけど、いいよね!」

 「うん、全然いいよ」
 
 「七緒はいいよね?」

 隣にいた七緒に訊ねると、七緒はコクリと頷いた。

 「じゃぁ、待ち合わせは……いつものところね!」

 「分かった。じゃぁ」


 私と七緒は、鞄を取り玄関に向かった。

 「ねぇ、衣久ちゃん?」

 「何?」

 「いつもの待ち合わせって……どこ?」

 「あぁ! そうか。言ってなかったね……。

 いつもの待ち合わせ場所は、公園なの」

 「公園?」

 七緒は驚いている様子だ。きっと、どこかの街中だと思っていたからだと思う。

 「どうして公園なの?」

 七緒の質問に、私は答えた。

 「凄く大切な……約束をした場所だから」

 「どんな約束?」

 私は、その問には答えなかった。

 「秘密!」

2008/01/15 14:43 No.19

菜夜★dkv9yxZSxH2

 家に着くと、いつもお小遣いが置いてあるテーブルを見ると

 何も乗っていなかった。

 「あれ? お母さん」

 ソファに座ってテレビを見ている母に話しかける。

 「何? どうしたの?」

 「お小遣いは?」

 「置いたわよ、そこに」
 
 私は急いで階段を上がった。

 「ちょっと、尋高!」

 部屋のドアを乱暴に開け、尋高の名前を呼ぶ。

 「何だよ、ビデオ女。そんなに乱暴にあけたらドアがぶっ壊れるぞ」

 「あんた、私の机に置いてあったお金返して!」

 尋高は、惚ける。

 「は? 知らないから」

 「惚けないで! 私は今日友達と遊びに行くの!」

 「あ、何? 最近ビデオ見てないけど、卒業?」

 「いいから、返せ!」

 尋高の胸倉を掴む私。

 「何すんだよ! 離せ! 汚れる、ばっちい! 腐る!」

 「腐れ!」

 その時だった。

 「ホラ、やめなさい。二人とも……」

 それは、懐かしい声だった……。

 振り向けば、そこには背の高い「お父さん」が立っていた。

 「「え?」」

 私と尋高の声がハモる。

 そう、一瞬誰だか分からなかったけどそこには父が立っていた。


 仕事の関係で、父は外国にいつも住んでいて、中々帰って来なかった。

 そして、連絡も無しに帰ってくることは今まで一度もなかった。

 その父が、今、目の前にいる。

 もう、五、六年ぶりだろうか?

 久しぶりに見る父の姿は……老けていた。

 

 

2008/01/15 15:02 No.20
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