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【匿名希望:あたしを、自由に(23:59)】 ( 小説投稿城 )
ゆー★TmOu9DNSfgU
2007/09/30 20:20 No.0
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はじめまして。陰ながら読ませていただいてきたピッカ!と申します。
内容がとてもシンプルでいいです。特に殺人未遂まで発展するなどの急展開が独特でいいと思います。
これからも読ませていただくので宜しくお願いします。
>ピッカ!さま
41.
夕日の赤が目に沁みる。
「隣の家の村上さんが異変に気付いて救急車を呼んでくれたそうなの。電気もついているしドアも微かに開いている。それなのに何も音がしないのは変だって。村上さんに、あとでお礼言いに行かなきゃね」
「うん、そうする」
色々と話しているうちにこんな時間になってしまった。
菜実には先に帰ってもらったので、時間など気にせず今までの分を取り返すようにおしゃべりをしたのだ。
ここまで、長かった。
「どれくらいで帰れるの?」
ここに引っ越してすぐいじめられ、あたしはそのことでイラつきお母さんのことを無視していた。
そしていじめが本格的になり、家に引き篭もってお母さんを困らせた。
学校に行けというお母さんの言葉が鬱陶しく、いつも罵声を吐いた。
こんな〔普通〕に話せることが、あたしは嬉しくてたまらなかった。
「そうねえ、出欠の割りには傷は浅かったみたい。一週間くらいで帰れるんじゃないかしら」
「そう」
しっかりと刺した。
二度も刺した。
罪悪感が、再びあたしを苛む。
「理央、思い出しちゃ駄目って言ったでしょう?」
暗くなったあたしの表情を見て、お母さんが一喝する。
だけど、そんなこと言われたって、あたしの罪が消えてなくなるわけじゃない。
自分がやったことなのだ、忘れるなんて無責任なことできない。
口篭るあたしを見て、お母さんがそっとあたしの頭を撫でた。
「理央は優しいから辛いのよね」
そんな優しい言葉、あたしには勿体無いよ。
やっと止まった涙がまたあふれ出そうになる。
「こんな境遇に立たせてしまったのはわたしのせいよね。ごめんなさい、理央」
お母さんが悲しそうに目を伏せた。
ごめんなさいなんて、謝るのはあたしの方。
お母さんは何も悪いことをしていないのに。
そんなとき、病室のドアが開いて看護師さんが顔を出した。
「面会時間、あと少しで終わりますよ。また明日きてくださいね」
ああ、病院には制限というものがあるのか。
まだ名残惜しいと感じながらも、仕方なく荷物をまとめにかかる。
「お母さん、また明日来るからね」
「いいのよ、理央。忙しいでしょうに」
「お母さんが一番大事だもん! いいでしょ?」
まるで子供のようにムキになっていうと、さも可笑しそうにお母さんが笑った。
「いいけど、明日は学校が終わってから来てね」
「はぁーい……」
その一言で、あたしは今日学校をサボったことを思い出した。
でもいつも行っていなかったのだ。
サボるとかそういう問題じゃないだろう。
でも、たぶん、きっと、学校に行ける気がする。
菜実と和解できた今、学校が怖いわけじゃない。
だけど長い間行ってなかったので、それなりに抵抗がある。
「はい、鞄」
「ありがと」
夕日があたしたちをやんわりと包み込む。
腫れぼったい目で、ぶさいくに微笑みかけた。
「お母さん、大好き」
驚いたようにぱちぱちと瞬きを繰り返していたお母さんだったが、次の瞬間には口元を綻ばせて「どういたしまして」と言った。
うおーーーーーーー!!((雄叫び……
第一声が人間らしくてすいません。。。てか、うん。(勝手に納得)
ゆーさん、天才!!やばい!!おもろい!!じゃなくて、感動!!
おもしろさにひきつけられて感動で締めくくりすぎっ!!
その才能は分割してみんなに分けるべきだよ。ゆーさんに偏りすぎ!!(←料理チック)
てか、うん。やばい!!(二回目。)
これからもがんばですぜ、ゆーの兄貴!!(←)
トマトでしたー♪
>>226に変換ミス発見
>「そうねえ、出欠の割りには傷は浅かったみたい。一週間くらいで帰れるんじゃないかしら」
>「そうねえ、出血の割りには傷は浅かったみたい。一週間くらいで帰れるんじゃないかしら」
>トマトさま
久しぶりに登校・・・・・・じゃなくて投稿!(笑)
って、十二月か一月ごろコメントしてそのまま見れなかった
ファンのYでーす!(笑)
とゆうか好きです作品が好きな読者です(笑)
じゃなくて、なんか見てない間にすごいことに・・・・・!
って、ハッピーエンドの予感が!?(なんだそれ(笑)
お母さんやっぱ優しい・・・・・・・
それに、菜実もほんとは辛かったんだ・・・・
なんかいろいろ交差するね、いろんな意味で
まぁ、なんか分からない間にとんでもないことになってたんだ
理央もお母さんも菜実も辛かったんだ今まで・・・・・
歯止めがわかんなくて、いろいろあって菜実もやっぱいい奴だよ(笑)
優しいんだよみんな!(なにまとめてんのさ(笑)
でもいい話だわ(笑)
理央もよかったね(笑)
お母さん死んじゃったら悲しかったけど生きてたから
なんかジワジワきちゃいましたよ!
理央が決意固めた時はドキドキしたけど
なんかこっちまで安心したわ・・・・・(笑)
学校いくの辛いけど、なんかいいことあると良いね(なんだよそれ!
なんか、もういいや(おい(笑)
いや、もうラストというか小説頑張ってください
やっぱ読みやすくて良いです
それに意外な展開で、感動もあるし(笑)
やっぱうまいですし
でわ、小説頑張ってください(二回いってないか(笑)
でわ
メビリンSNS……何気に登録しちゃいましたw
>Yさま
42.
あたしが過敏になりすぎているせいか、家は少し血の匂いがするような気がした。
一日も離れていたわけじゃないのに、家がなぜかとてつもなく懐かしく感じた。
電気をつけて、暖房をいれて、お茶を入れて一息つく。
そんなときだった。
電話がけたたましく鳴ったのは。
いきなりのことだったので驚きつつも受話器をとる。
「もしもし、葛西ですけど」
「は、はい、えっと……」
電話をするなんて、久しぶりだった。
受話器から聞こえてくる音声にあたしはたじろぎながら答える。
我ながら情けない。
「あ、理央? わたしだよ、菜実。葛西菜実」
「ああ! 菜実かぁ」
電話の相手が知っている人だと分かり、あたしはほっと息をついた。
「すんごいキョドってたけど、大丈夫?」
「う、うん……久しぶり、だったから、慣れなくって」
「おーい、中学二年生、大丈夫かあ?」
「だ、大丈夫! これから慣れていくんだから!」
和解できてから一日も経ってないのに、すごいものだと思う。
前はあんなにも嫌悪しあっていたのに、今では親友のようだ。
「それでさぁ、理央、明日学校来る?」
「え、学校……?」
聞きなれない単語に驚いて、繰り返してしまう。
「そうだよ、学校。問題もなくなったし、来てもいいんじゃないかなーって思って。あ、無理にじゃないよ。気が向いたら、って話」
焦ったように言う菜実。
あたしは学校という単語を頭の中で繰り返していた。
わたしは元々学校というものが好きだった。
たくさんの人たちと出会えて、仲良くなれる、そんな楽しい場所。
それが地獄と姿を変えてしまったからいけなくなってしまっただけなのだ。
だから、きっと、あたしだって、行けるはず。
「行く。行くよ、あたし」
普通の子みたいに、なりたかった。
不登校なんてつまらなかった。
誰とも会えない誰とも喋れない、不甲斐ない自分を何度恨んだことか。
窓辺から見える楽しそうな光景に何度加わりたいと思ったことか。
「え、本当? よかった! 嬉しい! わたし、学校で色々フォローするから! 安心して来てね!」
電話越しで興奮する菜実に、あたしは相槌を打つといつ頃行けばいいとたずねた。
そういう基本的なところから、あたしは駄目なのだ。
「えっとね、じゃあ、七時半にあの公園でいいかな。あ、明日の予定はね――」
色々なことを教えてもらい、電話を切った。
時刻は七時半。
いつもならお腹がすいている時間だ。
それに今日はたい焼きしか食べていない。
それなのに、お腹いっぱい、いや胸いっぱいだった。
あたしはほどよく温まったリビングを抜け自分の部屋に急いだ。
クローゼットの奥深くにしまってあった制服を取り出し、机に置いた。
それからブラウスも気合をいれてアイロンをかける。
しばらくして時計を見ると、もう九時になっていた。
ぼーっとしていただけなのに、時間は過ぎるのが早いなぁ、なんて思いながらリビングの暖房を消し二階にあがる。
今日はいろいろあって疲れたなぁ。
そう思ってベッドに雪崩れ込んだものの、期待と不安で胸がいっぱいで、中々寝付けなかった。
ご無沙汰してます。
おぉ〜、しばらく来てない間に
お話が進んでいますね。
お母さんも理央も優しい‥!
菜実と友達になれて、お母さんも生きてて、
私がホッとしてしまいました。←
無事に学校生活おくれるといいですねぇ、理央。
そしてゆーさまは無事に青春を味わっているんですね!←
夏休みは楽しく過ごしていますか?
私の周りの子は皆、宿題終わってるのに私だけ終わってません。←
ではではー♪
>鈴蘭さま
DEAR☆ゆー またA来たよぉぉ〜!!!
ココも、いっぱい小説みるね♪
ゆーって、マイメビ登録してるんだぁ〜!!
あたしもしてるよ!!!
あたしのとこにも、来てね♪
七華ー!
こっちは私のじゃないよー!
ゆーs
来てない間に更新されてる…
菜実ちゃん、本当に優しいー!
あーゆー子いいよな〜…
周りにあーゆー子いたらな…
ま、更新頑張ってください!
応援してます
DEAR☆ゆー そうなのぉぉ??なんだぁ〜!!
1つだけかな??
じゃあ、あそこいってくる!
えっと、£+。*七華*。+£さんはコメ返し不要だよね
とりあえず紛らわしくってすみません
>桃♪さま
43.
目を覚ましたら、まだ五時だった。
もう一度寝られるような時間だったけれど、期待と不安で眠気なんて吹っ飛んでしまったので、もそもそとベッドから起き上がる。
布団から出ると、ぴんと張り詰めたような冷たい空気があたしを包み込んだ。
朝早く起きるのは久しぶりだ。
久しぶりに感じる朝の匂いにどぎまぎしながら、風呂場に移りシャワーを浴びる。
軽くバスタオルで体を拭くと、昨日アイロンをかけたブラウスに袖を通す。
ああ、懐かしいな、この感じ。
テーブルの隅に置いてあったトーストを焼いて口に入れる。
傍にあったリモコンを手にとってテレビをつける。
テレビの端に6:30と表示されていた。
なんだか、全てが新鮮。
学校に行くと言うだけでこんなにも周りの景色が違って見えるなんて。
洗面所に行ってドライヤーで髪を乾かし、上の方で一つに括る。
以前学校で行っていたときにはおろしていたのだが、随分と切っていないのでひどく長くなってしまった。
今度切りにいかなきゃなぁ、なんて思いながら再びリビングに行きテレビを眺める。
そうやってぼんやりしているうちに、時間は約束の時間へと近付いていった。
七時二十分。
教科書の詰まった鞄を肩にかけると、あまりの重さによろめいてしまった。
学校専用の靴を履くと、少しきついように感じた。
あたしも何気に大きくなっているんだな、と自分の成長をしみじみ感じながら玄関の扉を開け放つ。
「行ってきます」
本当はお母さんに言いたかったんだけどね、この言葉。
ちゃんと学生服を着て、学校用の靴を履いて、元気に家を出て行く姿。
お母さんが一番求めていたものに違いない。
お母さんがいない寂しさに俯きつつも、気分を変えるために息を吸った。
冷たくて新鮮な空気が体に満ち溢れる。
何故だか、ふいに、急に、泣きたくなった。
自分が今ここにいるのが嬉しくて?
お母さんを殺そうとしたことを思い出して?
それとは違う気がした。
ただ、胸がしめつけられるように切なくなったのだ。
腹痛いです
宿題まだ終わってません
なんで今回はこんなに夏休みが終わるのが早いんでしょうね
前置きはさておき←
あげです
すんません
展開なくてすんません
44.
公園に着くと既に菜実が待っていた。
あたしの姿を見て、嬉しそうに立ち上がり手を振る。
あたしも菜実に振り替えした。
「ごめん、遅くなっちゃった?」
「ううん、大丈夫。まだ時間、余裕あるし」
「そっか、よかった。それじゃあ行こうか」
歩き始めようとすると、菜実が真剣な声で待ってと言った。
驚いて振り向くと、そこには意外な人物がいた。
「あの、その……わたしたちもちゃんと謝らなきゃな、って思って」
笠原由里。
あたしを菜実と一緒に苛めていて、チャットで七実の友達と名乗りあたしを騙していた人。
「ごめんなさい! 調子に乗って、あんなひどいことしちゃって……」
今にも泣きそうな顔で、由里が頭を下げる。
後ろには望月佳奈美と柴山有希もいた。
みんな、菜実と一緒にあたしをいじめて、チャットでも騙していた人だった。
「あの、顔、あげてください」
突然のことで驚きながらも、とにかくそう言ってみる。
今のあたしは別にこの人たちを憎いともなんとも思っていなかった。
それよりも、目を伏せるとあの頃の思い出が甦る。
【ユリ:そんなことないよ!】
【カナミ:そうだよ、みんな仲間だよー】
【ユキ:リアルで知らなくても、キズナはキズナじゃん?】
騙していたといえ、あの時は本当に幸せだった。
みんなと楽しく会話が出来て、時には励まされて、本当に楽しかった。
「わたし、あなたのこと、全然考えていなかった」
「わたしも……。いつも我が侭でごめんね」
「もう二度とあんなことはしないから。約束する」
三人が一斉に頭を下げた。
あたしは少しうろたえながらも、昔感じた三人の印象を思い出す。
しっかり者のユリに、のんびりしているカナミ。
七実と性格の似ているユキ。
この人たちとリアルで仲良くなれたらどんなにいいと願ったことか。
そう。
あたしの望んでいることは、こんなことじゃない。
「あの、三人とも……お願いがあるんだけど」
三人がゆっくりと顔を上げる。
「前みたいな関係に、戻れないかな。あの、楽しくチャットしたときみたいな関係には」
絶望に満ちていた三人の顔に、輝きが戻る。
楽しそうな、幸せそうな、いや、幸せそうな表情だ。
「ありがとう……っ」
くぐもった声で、由里がお礼を言う。
あたしはそれに笑顔で応える。
しばらくそんな様子を見守っていた菜実が動き、あたしたちに呼びかける。
「それじゃあ行こうか」
あはは、と由里が泣き笑いをする。
あたしは先を歩く菜実を追いかける。
佳奈美が嬉しそうにあたしの名を呼んだ。
有希が照れたように三人の後ろを小走りする。
それまでの過去を清算してくれるような、楽しい時間だった。
うう、なんか感動するねぇ(笑)
なんかまた幸せな時に戻ってよかったね……
最初はどんな事になるかと思ったけど、ハッピーエンド?(笑)
でもなんかよかった
三人もまた、謝って、んでまた友達になった!
なんか良かったよ!(なにがさ!(笑)
でも、こういう楽しい時がずっと続けば良いよ、ほんとに
過去を清算してくれるか……
うん、元気をもらえてポカポカするわ
学校もうまくいけばいいね(笑)
でわ、更新頑張ってください!
>Yさま
45.
校門まであと三メートルというところで、足がぴたりと止まった。
「どうしたの?」
不思議そうな菜実の瞳。
そこには早く行こうよという期待も含まれていて、あたしの胃がきりきりと痛むのを感じられた。
「やっぱり、辛いの……?」
とうとう何も言わずに俯いてしまったあたしを、悲しそうに目を細めて尋ねてくる。
あたしは頷きもせず、ただ地面を見つめていた。
やはりあたしにとって学校とは地獄でしかないのだ。
嫌なことしか思い出せない。
菜実たちの顔の上に泥を塗られているような気分になる。
前に菜実を殺すためにと来たときとは別だ。
あのときは一つの目的を達成する手段として来ていたのであって、こちらに戻る気など更々なかった。
「あたし……やっぱり」
駄目だよ。
行けるわけないよ。
怖いもの、恐ろしいもの。
情けない台詞を続けようとしたら、途端に手を握られた。
まるで母親が子供にやるように、優しく手を握り込められる。
突然のことに驚き、顔をあげた。
「理央、そんなんじゃ駄目だよ」
真剣な瞳で、菜実があたしに訴える。
前だってそうだ。
いつまでもうじうじしているあたしの背を、菜実は押してくれる。
「わたしが悪いのは分かってる。だからこそその償いとして、理央を元の生活に戻してあげたいの。だからお願い。少しでいいから、勇気を持って。マイナスばかりに考えないで、積極的になってみて」
そう、菜実の言っていることはいつも正論。
「ねえ、理央。お願い」
視線が絡み合う。
外せない。
「学校……楽しいよ。理央にもその楽しさを分けてあげたい!」
「そうだよ、理央。わたしたちがいるからさ」
「無理強いするわけじゃないけど、そっちの方が理央のためになるんだよ」
三人も加勢する。
そう。
みんなあたしを応援してくれているんだ。
だけどあたしが消極的なあまりに……。
「うん……。そうだね」
振り絞った声は情けなくも震えていた。
不安げに菜実があたしを見る。
あたしは大丈夫だよという意味を込めて微笑んでみせた。
「あの、言い出しておいてアレなんだけどさ、……無理しなくていいんだよ?」
弱々しい声。
騒がしくなってきた周りの声にもみ消されそうなほど。
「菜実。あたしは、大丈夫」
ぎこちなさが残る声。
だけどさっきまでの緊張は少しだけ和らいだ。
残りの三メートルを、大股で歩く。
ああ、こんなに大きかったっけ、校門。
この時間帯に登校してくる生徒もこんなに大きかったっけ。
周りを見回すあたしが変な表情をしていたのか、菜実が再びあたしの手を握った。
不安はある。
たくさんある。
だけど菜実と一緒なら、乗り越えられるような気がした。
おお!いよいよ主人公学校復活ですか!
あ、どうも、ピッカですw
反発する主人公に対し行こうよと声をかけるこの絶妙な感じがいいですね〜(何
またSSを書いたー
ちょっといつもと違う感じのを書いたー
そして沈没した←
>ピッカ様
46.
教室や昇降口の匂いとか、上靴を履いて踏み締める廊下の感触とか、朝特有のざわざわとした喋り声とか、黒板に叩きつけるチョークの音とか。
全てが懐かしい。
たった三ヶ月行っていなかっただけなのに。
「上靴とか教科書とかあるの?」
「あ、うん。お母さんが新しいの買ってくれたから……」
「そっか……ごめんね。あたしたちのせいだよね。使えなくなったの」
廊下を歩きながら、菜実が申し訳なさそうに謝ってきた。
「いいのいいの。今がよければ過去もよし、だよ!」
「何それ、変なのー」
「細かいとこは気にしないで、って」
重かった空気が瞬時に飛んでいく。
真剣なのがおふざけに、切り替えすごいな。
こういうのが友達なんだなぁ、とぼんやりと考える。
菜実たちのおかげか、学校に入っても特に不安なく教室までの道のりを歩けた。
一年と三年はあたしがいることに大してどうも思わないだろうし、二年もあたしが普段の風景に同化してしまったのか声をあげるものは少ない。
だけど問題は教室だ。
今日からまたここに通えるか。
今までの距離を埋めて馴染むことができるか。
それが不安で、たまらなかった。
だけど自分から飛び込まなくちゃ何も変わらない。
動かなくてはいけないのは自分なのだ。
「本当に大丈夫なんだね、理央」
「うん、大丈夫」
「そう。じゃ、開けるよ」
がらり、そんな騒がしい音と共に目に飛び込むなじみのある風景。
「おっはよー」
「はよー」
教室の中にいた生徒は興味なさそうに挨拶をする。
挨拶というのは学校生活の中で植え込まれた習慣で、特に意味もなく行うものであるからだ。
そんな状態に安心しながら、だけど気付いてくれないという寂しさを抱えながら、隣の菜実にコンタクトを送る。
すると、そのとき。
「あれ」
一人が気付いた。
仲のいい四人の中に混ざりこんだ不純物を。
「あ?」
「ほら、あれ」
「……旗本さん?」
一人が気付けば、周りも気付く。
気付いた人々は眉間に皺をよせて、まじまじとこちらを見つめてくる。
フラッシュバックが起こりそうになって、あたしは目を勢いよく瞑った。
その際に「ひい」という情けない悲鳴も残して。
あの目が嫌い。
怖い。
あたしを軽蔑してくる。
別にあたしは悪くないのに。
「理央、理央……っ!」
隣で、菜実の声がした。
ぎゅ、と再び手を握られる。
「負けちゃ駄目だよ。理央は何も悪いことしてないもの。だから堂々と胸を張って!」
必死な声で、あたしひ呼びかける。
蹲りかけたあたしの体を支えて離さない。
あたしは何も悪いことをしていない。
うん、そうだよ。
だから胸を張ることをくらいできるはずなのに。
あたしは、弱虫だから。
「理央、それでいいの? そんなんでいいの? これは通らなきゃいけない道なんだよ? いつまで逃げるの?」
弱気なあたしに、必死に、声を枯らして、菜実が叫ぶ。
こんなあたしのために、菜実は声を枯らしてくれている。
それに応えないなんて、あたしは非常識すぎる。
目を開き、なんとか自分の足で体を支える。
「菜実……ごめん」
「いいのよ。頑張って、理央」
菜実がそっとあたしから手を離した。
ざわざわ。
気付いたら教室上がざわめきであふれていた。
人々が注目しているのはこのあたし。
突然現れたあたしの言葉を待っている。
「……あの」
ごくり。
唾液を飲み込む。
胸の前でぎゅっと拳を握る。
「ひさし、ぶりです」
大丈夫、声はちゃんと出せている。
足の震えも前よりひどくはない。
ぎこちないけれど笑顔だって浮かべられている。
「このクラスに、戻ってきました。これから、……宜しくお願いします」
ちらほらと拍手が漏れた。
あたしは解放感と共に目を伏せた。
あたしにも、できた。
やっと、できた。
お久しぶりです。
最近あまり来れなくて……土下座もんです(え
理央もやっと学校に行けるようになったのですね!
やっとできたんだ……誰でも、やってみなきゃわからないものですね。
それから、菜実。
いじめっ子って、いじめられっ子から見ると憎くて怖い存在だけど、
普通のクラスメイトとかから見ると、別にフツーで、どこにでもいる子って場合が多いですよね。
いざ友達になってみると、今までのとのギャップに驚くとか……
……ん?
何が言いたかったのか、よく分からなくなってしまいました^^;
まあ、なんとなしに何が言いたかったか悟ってください(殴
では、すみませんでしたっ。
更新頑張ってください。
ね、ネタ切れです
スランプです
助けてー
>蓬さま
47.
鼻をかすめる薬の匂いに、前のような不快感はなくて。
看護婦さんの「走っちゃ駄目ですよ!」という言葉に返事をしながら廊下を走る。
そして掃除の行き届いた階段を一段飛ばしで駆け上がる。
足を動かすたびに跳ね上がる感情。
はあはあと酸素不足を訴える心臓。
嬉しくって、楽しくって、立ち止まってなんかいられなかった。
息を吸うたびに喉から変な音がして、ちくちくと痛んだ。
体力なんてないくせに、走るからだ。
あたしは息切れをしながら、103号室の前で足をとめる。
数回深呼吸をして、二秒ほど目を伏せる。
気持ちが落ち着いたのを確認すると、わたしはドアノブに手をかけた。
自然にできた笑顔を顔に浮かべて、わたしはドアを内側におした。
「お母さん! 聞いて、あたしね」
さっき気持ちを落ち着けたはずなのに、やはりまだほとぼりは冷めていなかったらしく、あたしは部屋に入った途端言葉をぶちまけた。
だけど部屋の状況を知り、あたしは咄嗟に口をつぐんだ。
「あ……、すみません」
部屋にはベッドに入ったお母さんと、スーツを着た男の人が二人。
二人とも険しい表情をしているのだから、プライベートで着たわけではないだろう。
「おかえりなさい、理央」
冷たい空気が流れるこの場所で、お母さんがにこやかに微笑んだ。
張り詰めていた空気がゆるみ、肩の力がちょっとだけ抜ける。
険しい顔をしていた二人も少し表情を緩めて、こちらを見た。
「ああ、娘さんですか? 驚かせてしまったようですね、すみません。我々警察の者でして……」
「警察!?」
「ええ、そうですが」
あたしのヒステリックな声に、声をかけてくれた男の人が目を真ん丸くする。
さあっと血の気が引く。
冷水をかけられたような気がした。
「どうかしましたか? 顔色がよくないですよ」
「い、いえ、なんでもないんです。お仕事の邪魔しちゃってすみませんでした」
警察、警察が来た。
理由は一つしかない。
あたしの罪を問い詰めに来たんだ!
「すみません、あの、あたし、帰るので」
冷や汗が首筋を伝う。
まともに警察の人たちの顔が見れなかった。
あたしは垂れた髪をせわしく耳にかけながら、ドアノブに手をかけようとした。
すると一人の男の人があたしの行動を制止した。
驚いてその人のほうを向くと、その人は人の良さそうな笑みを浮かべてあたしに言った。
「ごめんね、怖がらせてしまったようだね。僕らが帰るから、君はお母さんとゆっくり話してね」
小さい子にするような言い方で、まるであたしをなだめるようにそう言うと、彼らはこの部屋から去っていった。
あたしはその様子を呆然と見ているだけだった。
ただ、二人がこの部屋からいなくなると急に力が抜け、その場に崩れ落ちてしまった。
「理央、大丈夫なの? 本当に顔色が悪いわよ」
頭の中がぐちゃぐちゃだ。
優しげなお母さんの声も、今はただの雑音。
警察が来た。
あたしがお母さんを殺そうとしたからだ。
きっとそのことがばれてしまったんだ。
ああ、あたしは逮捕されるのかな。
刑務所にいれられちゃうのかな。
ああ、ああ。
「…………助けて」
やっぱりあたしは、幸せになってはいけない。
たくさんの罪を犯したもの。
48.
たくさん嬉しいことがあった。
だからそれを全て伝えようと思ったのだ。
今日学校にいけたんだよ、またクラスに馴染めそうなんだよ。
たくさん、たくさん、いいたいことがあった。
だけどそんなこと、全て吹っ飛んでいってしまった。
もう何が楽しかったのか、何を伝えたかったのか、忘れてしまった。
ただ今あたしの中にあるものは、エンドレスな恐怖。それだけだった。
「ねえ、なにか言いたいことがあったんじゃないの」
そう優しく問われてもあたしは首を横に振ることしかできなかった。
呆れたようにお母さんが頬杖をつく。
そんな些細な行動でも、あたしは涙腺が崩壊しそうだった。
「理央、お母さんは何にも気にしてないよ。だから理央も気にしないで」
それはあのことをなかったことにしようということだろうか。
あたしは再び首を横に振った。
それは道徳的に許されないと思ったからだ。
「でもね、理央……いつまでも捕らわれてちゃ駄目だと思うのよ。警察に怯えて過ごすなんて嫌でしょ? 忘れた方が、楽になるわ」
「でも! 嘘をつくのは嫌だよ!」
思わず腰を浮かせ、大声で反論を叫んでしまった。
お母さんが驚いたように瞳を真ん丸くする。
だけど次の瞬間には切なげな表情になって、あたしの頭に手をのせた。
「理央は、優しいのね。とっても優しい。だから悩んでいるのね」
優しくない。
優しいのは、お母さんの方。
あたしはとても残酷で、ひどい奴だ。
「優しいことはいいことよ。だけど時に弱さになるわね」
ぽんぽん。
あたしの頭の上で、お母さんは一定のリズムを刻む。
「お母さんは理央に幸せになってもらいたい。どんな形であろうと、幸せになってもらいたいのよ」
違う、違うの。
あたしは優しくなんてないし、幸せになる資格なんてない。
たくさんの罪を犯したから、それらを償わなくてはいけないの。
たくさんの気持ちがあふれてくる。
だけどそれを言葉にすることはできなくて。
代わりにあたしはお母さんを抱き締めた。
お母さんもあたしを抱き締め返した。
「……理央は優しいのね」
お母さんが再び呟いた。
涙声で、呟いた。
なんだかとっても悲しくて、虚しくて。
返す言葉も見つからなくて。
あたしは必死に涙を耐えていた。
うう、お母さん優しいなァ。
ウチの母親もこんな人だった、たしか^^
こーゆー親ばっかりだったら、世の中も少し変わってくるんでしょうな。
確かに怖いですよね、人を殺しかけて、警察は犯人を追っていて……
なんかその恐ろしさと恐怖が伝わってくるような気がしました。
さあ、これからどうなるんでしょう?? すごく気になります!
更新頑張ってくださいね!
これからも応援しています!!
……そういえば、理央が刺したのはお母さんだけじゃなかったような??
間違いでしたら申し訳ありません!!
では。
>蓬さま
ひっさしぶりー、パソコン新しくして来てみたら
な、なんと印象深い題名があったからポチっとしたら、更新されてた!(笑)
なんかでも悲しいね…理央も幸せになりたいのに
いつもどこかで足が揺れて崩れ落ちそうになる……
エンドレス―――くるくる回る
なんか、すごく嬉しくていい日だったのにね――なんちゃって(笑)
でも、警察か…罪とか、ちょっと空気読みなさいよ!
でも理央もよく勇気をだしたよねぇ〜、うちならちょっと怖いな
やっぱ最初は菜実は嫌なやつって思ったけど……
やっぱいい人だね!!
でもこれからが心配だけど、お母さん(優しい)友達(優しい)
そんな優しい人たちに支えてもらって幸せになってほしいね(笑)
んじゃ、更新がんばってください
>Yさま
49.
折角自由になれたと思ったのに。
これでもう何にも苦しまずにいられると思ったのに。
頬に爪を立てる。
長く伸びた爪はあたしの頬に掴まって、傷をつけた。
自業自得だ。
全部自分がしたものだもの。
だけど、なぜだろう。
心の中でそれを否定しているから?
「涙が、止まんないよ……」
引っ掻き傷の上に涙が流れ、ひりひりと痛んだ。
だけどやっぱり、それよりも心の方が痛んだ。
お母さんはあたしに幸せになってほしいと言う。
だけどあたしは嘘をつくことで幸せになれない。
だから――
「……自首、しようと思うんだ」
その日はお弁当だった。
あたしたちは外のベンチに座って、話しながらお弁当を食べていた。
「はあ!? まじで?」
「ちょ、理央ちゃん!? 急に何を言い出すの」
あたしの突然のカミングアウトに、みんなは手をとめて驚いていた。
まあ、それは当然の反応だろう。
「……もう、こんな苦しいのは嫌なの。自首したら、きっと楽になれる」
「だけど、お母さんだって結局生きてるじゃない! 黙ってれば、見過ごされるようなことなんだよ?」
「心の中のもやもやがおさまらないの。それが鬱陶しくってたまらないのよ」
菜実があたしの言葉を聞くと、しおれた花のように俯いてしまった。
「今日もお母さんのところに警察の人がきてると思うの。だから、そのとき言う」
あたしはそう言うと、お弁当のふたを閉じた。
そして丁寧にお弁当箱を包むと、立ち上がった。
「今まで、ありがとう」
そして、めいっぱいの笑顔でそう言った。
「みんなと打ち解けられたとき、すごい嬉しかった。少ないけど、友達みたいにお喋りしたの、とっても楽しかった。たくさんの感情を、ありがとう」
そう言い残すと、わたしは逃げるように去った。
わたしを追いかける足音を、体にねばりつく言葉を、全て跳ね除けながら。
殺人未遂、か。
きっと罪は重いんだろうな。
だけど、それですっきりするよね。
だったら、いいや。
そんなことを考えながら、廊下を歩く。
一人で歩く廊下は寂しくて、やっぱりちょっと怖かった。
あげ兼ねちょっと宣伝
真・恋小説投稿域で連載中
http://aurasoul.mb2.jp/_rsp/663.html
ここ更新せずに何やってんじゃーいとか思う人すみません
スランプですまじでスランプ
クランプじゃありませんよ?
いやぁ、後先考えずに投稿するとこうなるんですよね
下書き終わってるし、ラストも考えてあるし、大丈夫だろーとか思って投稿したんですけど
書いているうちにどんどん考えが変わって、こんな有様です
お久しぶりです^^
更新されてました萩C付かなくてすみません;
理央、自首するんだね……
やっぱ、そうなっちゃうのかなー。
ウチだったら逃げるけど、てかごまかすけど、やっぱ引っかかるよね。。
うん、自首しちゃうか……
殺人未遂罪かな? 殺人予備罪? あでも自首だしどっちみち軽くなるんだなー
ああ、なんか混乱しt。。
更新、頑張ってください^^
これからも応援してますー
>蓬さま
50.
病室に入ったとき、一番最初に鮮やかな花が目に入った。
種類はよく分からないけれど、きれいな花。
シンプルな花瓶に入れているから、余計色鮮やかに見える。
「あれ、その花……誰か来たの?」
「ああ、これ? 近所の人が、持ってきてくださったの。ほら、わたし明日退院するでしょう?」
そうか。
もう退院するのか。
嬉しそうに微笑むお母さんとは対照的に、あたしの心は冷め切っていた。
正直、お母さんを刺したあの家で、再びお母さんと過ごせる自信はない。
今でも台所を見ているだけで気分が悪くなるときがあるというのに。
「……警察の、警察の人は? 今日は来てないの」
「さっきいらしてたわよ。だけど、今日も誤魔化しちゃったわ。まあどうせ本当のことなんて言うつもりないけどね」
自分から話を振っておいてなんだけど、やはりこの話題は今のあたしにとってきつかった。
あたしは思わず俯き、拳に力を込めた。
そんなあたしを見かねてか、お母さんが焦ったように「あ、ごめんね」と言った。
駄目だ。
ずるずると引き延ばしていては。
このままじゃ、いけない。
ちゃんと言わなきゃ。
決心したんだから、行動に移さなきゃ。
じゃないとあたしは、いつまでも罪を悔いずに……。
「あのね、お母さん……あたし、決めた」
顔を上げ、唇の端を持ち上げて。
お母さんがあたしを見つめる。
後退したい気持ちに駆られて、だけど踏ん張って。
「自首、する」
お母さんの瞳の中にぎこちなく微笑むあたしがいる。
そのあたしに頷いて、あたしはゆっくり目を伏せた。
この罪は、あたしには重すぎる。
一生引き摺るなんて、まっぴらだ。
だから。
「それ、本当なの……?」
目を開ける。
そこにはひどく悲しそうな顔をしたお母さんがいた。
それにつられて、お母さんの目の中のあたしの表情も強張る。
「お母さんは、反対……?」
「だって、理央は罪なんて犯してないじゃない。なにをしたっていうの」
「なにって、……お母さんを殺そうとしたじゃない」
お母さんは小さなあたしの手に手を重ねて。
優しく、握り込む。
「違う。それは、違うわ。だって、わたしが憎くて理央は殺そうとしたわけじゃない。理央はわたしを護ろうとしてくれたんでしょう? 違う?」
それはそうだ。
だけど、殺そうとしたんだ。
それは変わらない。
「それって正当防衛じゃないの? だから、別に理央は罪に問われる必要なんてないんじゃないの?」
「お母さん、でも、あたし……もう一人友達を殺そうとした」
お母さんが口を閉ざす。
あたしも黙る。
病室に静寂が訪れる。
「あたし、嫌だよ? 怖いもの。自首なんてしたくないよ。だけど、しなきゃいけない。それ相応のことをしてしまったんだもの。だから、仕方ないんだよ」
「お母さんは……理央にはどこにもいかないでほしい。これ以上離れたくないわ。一緒にいたい」
「あたしだってそう思ってる。だけど、黙ってるわけにはいかないじゃない」
すがるような表情。
引きずり込まれそうになる。
だけど、駄目、それじゃあ……駄目。
「こんな重いもの、背負ってられない。正直に吐いて、それ相応の罰を受ける。そうすれば、きっとすっきりすると思うから」
「そんなことない。その事実は、ずっとずっと理央に圧し掛かることになるわ」
「……そうかもしれないけど、気休めだけど」
お母さんに圧される。
こうなると何がいけなくて何がいいのか分からなくなってくる。
ああ、自分の意思を、それともこの世界の善悪を、どれを基準にして行動すればいい。
あたしには分からない。
だってまだ十四歳、子供なんだもの。
……そう、あたしはまだ子供なんだ。
それなのに、確実に普通の子とは違う道を歩んでいる。
なんで?
もう解放されたいと思っているのに。
どんどんとあたしは、違う道へと、進んでいく――
「理央?」
声がする。
遠くか近くか、後ろか前か。
そんなものはよく分からないけれど。
「理央、ごめん。わたしたち、理央を止めに来たよ」
とりあえず分かったのは、その声があたしよりも強い意志を持っているということだった。
初めまして − 。
えっとですね、実を言うとこの小説の隠れふぁんでした(コメしろ。
なんか、中々タイミングが掴めず
今までコメントしていなくてごめんなさいッ
わー、なんかお母さん優しいですねー。
最初らへんは、ちょっとアレでしたけれど
それでも、後らへんから凄く優しくなっていると思いマスッ
理央がお母さんを刺したところは
とてもびっくりしましたっ
それでも、なんとかお母さんが生きててアンシンですねッ
ではでは、これからも更新ふぁいとです
また来ますネっ&支持押しておきますbb
>夢羽架さま
お久しぶりです、ね。
コメントが遅れてすみませんでした。
お母さんは、やっぱり自首してほしくないですよね。
被害者のお母さん自身は、あれを罪だと思っていないのでしょう。
でも、理央はひっかかるでしょうし、やっぱりモヤモヤしますよね。
たしかに、時効だってあるし、理央は永遠に逃げ続けるなんてことないでしょうけれど……
おお! 理央を止めに来たぞっ。
ということは、菜実かな。
菜実もやっぱ自首してほしくないよね……というか、自分のせいだから人事じゃないんだろうな。
理央がお母さんを刺したのは菜実のせいであって……
長文になってしまいました、すみません!
更新頑張ってください、応援してます。
>蓬さま
51.
病室の扉を静かに開けて、菜実が、由里が、佳奈美が、有希が入ってくる。
学校から直接来たのか、四人は制服を着ていた。
だけど鞄は持っていなかった。
わたしはその場に突っ立って、みんなの顔を見ていた。
お母さんも驚いたようにみんなの顔を見回していた。
「みんな……」
菜実があたしを真っ直ぐに見据えてくる。
その迫力に思わずごくりと唾を嚥下して、静かに言葉を待った。
すると菜実は意外なことにあたしから視線を外し、奥のお母さんの方に視線を移した。
「おばさん。本当に、すみませんでした」
そしてまたもやあたしの予想を裏切り、四人一斉に深々と頭を下げた。
自分にされているわけじゃないのに、なぜかあたふたとしてしまう。
お母さんは驚いたように口を押さえていたが、やがて小さな声で顔をあげてと呟いた。
「わたし、あなたたちに謝られるようなことをされたかしら」
そして何がなんだか分からないと言うように尋ねた。
あたしだってよく分からない。
いきなりのことに頭は混乱している。
そんなとき、お母さんが「あっ」と大きな声をあげた。
ヒステリックなようなものではなく、興奮したような嬉しそうな声。
驚いてそちらを見てみれば、お母さんは真っ直ぐに菜実を見つめていた。
「あなた、この前に理央と来てくれた子ね!」
そして興奮しがちな声でそう言うと、嬉しそうに口元を綻ばせた。
たぶんお母さんが言っているのは、あたしが初めてこの病院を訪れたときのことだろう。
あのときはまだ一人では何もできないような弱虫で、菜実はそんなあたしの背中を押して、一緒に病院まで付き添ってくれたのだ。
「あなた、お名前は?」
「え、あ……菜実、です」
「菜実ちゃん! それって、理央がいつも話していた子よね」
お母さんがそうよね、と目で訴えてくる。
あたしは促されるように頷いた。
するとお母さんは前のめりになって興奮したように菜実に話しかけ始めた。
「うちの子と仲良くしてくれてありがとう。菜実ちゃんの話は、いつも理央から聞いているわ。理央が色々とお世話になっているみたいね。学校に理央を行かせてくれたのもあなたなんでしょう? もう、なんて感謝したらいいか分からないわ。わたしが退院したら、なにか作って理央に持たせるわ」
嬉しそうに早口でそう言って、また再びにっこりを微笑んだ。
そんなお母さんに、菜実は驚いたように目を見開いている。
そりゃそうだ。初対面の人にこれだけ語られたら、誰だって驚く。
「お、お母さんっ! 菜実、困ってるじゃない」
「あら、ごめんなさいねえ。中学にあがって、理央に初めてできたお友達だから、ついつい……」
照れたようにお母さんが笑う。
さっきの言動の意味を知って、また胸が痛んだ。
こうやって知らない間にお母さんを心配させていたと思うと、本当に自分が嫌になる。
そんなとき、菜実が小さくごめんなさい呟いた。
その声はとても小さかったのに、なぜかわたしたちの耳にしっかりと聞こえた。
「ごめんなさい。理央とおばさんを苦しませたのは、全部わたしたちのせいなんです」
菜実が床を睨みつけながら言う。
その瞳には、薄らと涙が浮かんでいた。
「だから、わたしにお礼を言われる資格なんてありません。むしろ、理央とおばさんにわたしたちが謝らなきゃいけないんです」
ぎゅっと制服のスカートの裾を掴み、弱々しい声でそう言った。
また、また、まーた来てしまいました、蓬です。
あぁ、お母さんは菜実を知らないんだよね。
お母さんが知っている菜実は、過去を悔やんで足を洗った、新しくて優しい菜実だけだもんな……
そういう風に言われてしまうと、逆に菜実も辛いんだろうな。
自分が理央を苦しめて、そのせいで理央のお母さんは苦しんだ、そんなお母さんが今時分にお礼を言っている……
ううう。
色々と考えさせられる小説だなぁ、と改めて思いました。
あ、私の捉え方が可笑しいだけで、
本当はそんなややこしかったり考えさせる文章じゃなかったりしたってことありましたけど^^;
それでは、更新頑張ってくださいね!
それと、前から言おうかなーと迷っていたんですが。。
マイメビ申請してもいいでしょうかっ? はい、迷惑なのは承知の上です;;スルー∞にOKですので。。
ではでは、本当に失礼致しました><
>蓬さま
十月以来ここにこれなかったYです……はぁ
やばいですね……ハイ――――もううちの存在忘れ去られてるかもですね(汗)
でもゆーさんっ!(ビシッと指を立てたのをご想像して(なにっ(笑)
あなたは、いいラストに向かっていますっっ!
ゆーさんはやっぱすごいですよぉ、更新された話をスクロールしてる時も心臓が……(死ぬなよ、せめてラストは(笑)
そして理央―――――頑張ってね、これからも、つかあなたは優しい女の子ですもん
罪は周りが優しく薄れさせて、その罪をちゃんと悪いっておもって罪悪感に押しつぶされてるように感じてる
それだけで十分だよ、十分な罪の償いですよ!(なにやってるの君(笑)
つか、おつり来るくらいだもん!(つり、えって、金っ!?
まぁ、んな評論してなにしてんのじゃなくてとにかく、あああ、いやもう頑張ってvv
最終回まで頑張って(笑)
そして、コメを、小説を見れないくてスミマセンm(−m−)m←なんだか不真面目だけど心は本気っす(笑)
でわでわwww
>Yさま
52.
理央。なんで。どうして。
何がなんだか分からない、といった顔で、お母さんがこちらを振り向いた。
だけどあたしは何も言えなくて、ばつが悪そうに下を向いた。
「簡潔に言うと……その、つまり、わたしたちが理央を学校に行けないようにしていたんです」
今にも消え入りそうな小さな声で、菜実がそう言った。
隣にいるお母さんの顔が蒼くなっていく。
ここから消えたい。
消えてしまいたい。
そんな状況下で、あたしは唇をきゅっと結んで、そんなことを考えていた。
菜実に苛められていたという事実をお母さんに知られてしまうのが、なんだかとても悔しかった。
娘を苛めていた人と会うお母さんと比べてショックはあたしの方が薄いんだろうけども、あたしはただひたすら消えてしまいたいと願った。
当時の苛められていたあたしを思い出して、惨めになる。
自分はそんな過去を背負った者なんだと考えると、やる気が失せていく。
そして何より、お母さんに自分の弱さを見せ付けているような気がして、悔しくて恥ずかしくてたまらなかった。
「それは……あなたたちが理央を苛めていたということ?」
恐る恐る、お母さんが尋ねる。
弱々しく、項垂れるように菜実が頷いた。
それはあたしの惨めな過去が再確認されたことと一緒。
はあ。
あたしの心にもずっしりと圧し掛かってくる、お母さんの溜め息。
それを合図にするかのように、菜実がいきおいよく頭を下げた。
「本当にすみませんでした! 反省しています!」
華奢な体から搾り出したような声で、そう叫ぶ。
つられて後ろの三人も、菜実と同じようにした。
ああ、なんでこんなことになってしまったの。
目を伏せたい。
こんな現実から目を逸らしてしまいたい。
この状況が、たまらなく嫌だった。
それも自分のせいで、この空間が作られているのだと考えると、その不快はさらに大きくなる。
ねえ菜実、みんなも顔をあげて。
お母さんもいつもの優しい顔に戻ってよ。
あたしは大丈夫だから。
過ぎたことなんてもうどうでもいいじゃない。
だから、ねえ、みんな笑ってよ。
だけどあたしにそんなこと言えるわけもなくて、ただ腕組みをしているお母さんと頭を下げている四人に挟まれて、ぼうっとそのやり取りを聞いていた。
あたしの望むことは、普通の、平和な毎日。
だけどなぜだろう。
どんどんと遠のいているように感じるの。
***
あけましておめでとうございます!
今年もどうぞよろしくお願いしまーすw
あけましておめでとうございます
今年も小説更新頑張ってね
そしてっっ!?なんだかすごい……かんどー!?(笑)
小説更新と共に新年を迎えてる……(なんだかプロ(笑)
00:00で一月一日のときできっちりと一年をっっ(なんだか感動的(笑)
それに比べてうちはなんてでたらめな時間に……(笑)
なんてそんなとこに感動してるのは変だけど内容も感動的
でもみんな平和で「普通」の日常ってのを願うよね、うちも普通な生活送りたいもん(お生憎さまだけど(笑)
でもなんか平和な普通の生活って簡単なようで難しいよね
どうしても悩みとか試練とか…そのたもろもろが付きまとっちゃってww
でも理央にはそういうの、昔の暗黒時代を抜けてやっと見えた光だから温かさだから
幸せになって欲しいけどね……無理っぽいのかな現実的に……現実の壁で……?(なに聞いてるしらねぇだろ(笑)
ん〜、ますます気になるね最終話!
どっちみちどんな結末を迎えても、悪い事あればいいことがあるっ!(ちょっと語るwww
ガンバレ、理央、ガンバレ、ゆーさんwww
>Yさま
53.
頭を下げる菜実。
それを見つめるお母さん。
あたしは、俯いていた。
「あなたたちは、反省したから、理央のお友達になってくれたの」
静寂を破り、いつもに増して神妙な声でお母さんが言う。
その声に、菜実がばっと上を向いて抗議の声をあげた。
「違います! そんなんじゃありません!」
それじゃあ、なんで?
お母さんが目で訴える。
別に威嚇しているわけじゃないのだけれど、そのときのお母さんは本当に怖かった。
「今更だとか、図々しいだとか思われちゃうかもしれないんですけれど、わたしは……友達になろうと思ってたんです。理央と、友達になりたかったんです。勉強もできて、ルックスもよくて、お話し上手な理央に憧れていて、あの子と友達なれたら楽しいだろうなぁって思ってたんです」
お母さんの視線に耐えられなかったのか、菜実の目線は床を向いていた。
伏せかかった、苦しげな瞳。
視線を逸らしてしまいたくなるほど、菜実の姿は痛々しかった。
「本当に無責任だと思うんですが、わたし自身、分かんないんです。なんで理央にあんなことをしてしまったのか。しようと思ったのか。実際、わたしは今までそんなことしたこともなかったし、したいと思うこともありませんでした」
菜実の声が段々と震え始める。
だけどお母さんは視線を逸らそうともせず、まっすぐと菜実を見据える。
「だから、本当に、どうしてこんなことになっちゃったんだろう、って」
ぽつり、床に小さな雫が落ちる。
驚いて俯いた菜実のほうを見ると、その瞳には溢れるほどの涙が。
菜実は一生懸命その涙を拭っていた。
〔だから、本当に、どうしてこんなことになっちゃったんだろう、って〕
菜実の声が頭の中に響く。
ずっと前にも聞いた、その言葉。
【七実:それなのにどうして、あんなことになっちゃったんだろう】
チャットルームで見かけた、菜実の小さな呟き。
実際、あたしにはその文字しか見えなかったのだけれど、なぜだか苦しそうな菜実の顔が浮かんだ。
そう、それがあたしの行動を鈍らせた。
殺す復讐してやるといった残虐なことしか考えられなかったのを止めた。
初めて自分のしたことに、しようとしたことに後悔して、やり直したいと涙した。
「許してもらおうなんてそんな我が侭なこと望んでません。だけど、わたしは理央に幸せになってもらいたいんです。今までわたしたちが理央にひどいことをしたせいで、理央は幸せになれませんでした。それの償いというか、今わたしは理央にできることをしたいんです」
いいでしょうか。
すがるような目で、菜実がお母さんを見つめた。
そんな菜実に、お母さんがゆっくりと微笑んだ。
「じゃあ約束しましょうか」
そして、さっきとは違う優しい声音でそう呟いた。
心の中で固まっていた何かが、すうっと溶けていくような感覚がした。
「簡単なことよ。菜実ちゃん、それと後ろの子たち。あなたたちが奪ったという理央が笑っていられた時間を、理央に返してほしいのよ」
菜実が困ったように瞬きをした。
そりゃ誰だって時間を返せと言われれば困るだろう。
時間は過ぎ行くもの、もう二度と戻せないものなのだから。
「これから理央とたくさん遊んで、いい思い出を作って、それで空白の三ヶ月を埋めてあげて」
にこり、お母さんが微笑む。
迷子のように彷徨っていた菜実の視線が、上を向く。
「約束、してくれる?」
はい。
涙交じりの声で、四人が元気よく返事した。
さっきは苦痛という文字しか見えなかった彼女たちだけど、今は少し躊躇いがちに微笑んでいて。
ほっとした。
これで、一安心だ。
今まで絶対に触れようとしなかった、この状況に陥らせた「いじめ」というワード。
お母さんは何も聞いてこなかったけれど、きっとものすごく心配だっただろう。
これでお母さんも安心できるはず。
だけどあたしは忘れていた。
これ以上にもっとあたしを悩ませるものが存在することを、すっかりと忘れていた。
軽くなった心に、また重石が積み上げられた。
あたしが解決しようとしていることはたくさんある。
ほどけても、また絡まる。
それの繰り返し。