不破優★QYIAlr5rQn_Xlh
あれは、 何だろう…
かなり遠くからだが、薄っすらと見える。
黒いニット帽にサングラス、マスク、服は上下とも黒だ。
まさに全身黒尽くめだった。
そして、向こうからは怯え泣き叫ぶ老若男女がこちらに向って走って来る。
黒尽くめの男がだいぶ近づいて来ている。
良く見ると手には、銀色に光る物を持っている。
男は、ボーっと突っ立っている俺に銀色に光るものを突き立てようと走って来ている。
もう、 終わりだ。
俺の人生短かったが、誰が何と言おうとこれで終わりだ。
「うっ」
服にドロッとした液体が流れる。
もはや痛みさえ感じない。
でも、最後くらい誰かに見取られて死にたかった。
「ハハハッ」
男は、死に掛けの俺の腹から刃物を抜いて逃げていった。
2012/01/18 19:00 No.1
不破優★QYIAlr5rQn_Xlh
ここは、 何処だ。
目が覚めたら此処に居た。
なぜ、私はこんな所に居るの
「誰かー」
もちろん何度も叫んだ。
だが、誰も出てくるどころか返事すらしてくれない。
それに、此処は何だか臭い。
そしてもう一回叫ぼうとした時。
三メートルほど上の換気口から、「シュー」とものすごい勢いで白い気体が出ている。
意識が少しずつ朦朧としてきた。
「あー、私此処で死ぬんだ、来世は、どんな動物かな?イヌかな?ネコかな?それとも又人間に成れたらぃ…」
これが、人生が終わった瞬間だった。
2012/01/18 19:39 No.2
不破優★QYIAlr5rQn_Xlh
私は、今高層ビルの屋上の手すりの外側に居る。
ああー、そよ風が気持ち良い、まるで死人が「早く落ちろ」と囃している様だ。
「今、行きます お母さん」
そう言って手すりから手を離すと吸い込まれるように、地面に落ちていった。
そして、ふとビル屋上を振り返ると、笑顔で手を振っている父の姿があった。
もう呆れて怒りも込み上げてこない。
そして、高層ビルから落ちていった。
「グチャッ」(効果音)
「キャーーーー」
ビルの下を歩いていた人たちが、足を止め私に近づいてくる。
「大丈夫ですか。」
ビルから落ちて大丈夫な訳が無い。
だが、答える力などもう残っていなかった。
彼女はそのまま目をかっぴらいたまま息を引き取った。
2012/01/19 15:53 No.3
不破優★QYIAlr5rQn_Xlh
真っ暗だ。
周りも全く見えない。
だが、周りからは微かだが声が聞こえる。
「誰か〜」
その声だけが響きあとは何も聞こえない。
「パッ」(効果音)
上に付けてある蛍光灯が点いた。
とても、明るく眩しい。
そして、辺りが見えた。
「此処は」
思わず声が出てしまったが、此処は間違えなく学校の教室だ。
そして、この教室には、百人ほどは優に居るだろうと思わせるほど沢山の人が居た。
何処を見ても人、人、人
まるで東京にいる様な感覚だった。
だが、一つ気になる事があった。
腹の傷だ。
「無い、ない、ナイ」
何処を捜しても傷らしい傷は、何処にも無いのだ。
血痕は、服に少々付いてるものの痛みさえ全く無い。
そして、周りの人も服のいたるところに、血痕は付いているものの痛いといった様子は一切無い。
その後も周りを見渡していると、今までなぜきずかなかったのか、前の大きな黒板に文字が書いてあった。
残り時間 三十分
「はっ?」
全く意味が分からない。
皆もそれを見て呆れたのか、教室を出て行ったので隼人も出ることにした。
廊下は真っ暗で、電気が点いているのはあの教室だけだった。
皆は、廊下を歩いていき突き当たりにある階段を下りていった。
だが、隼人だけは廊下に残っていた。
そして、隼人はあの数字がどうも気がかりで、教室に入って黒板を見た。
「嘘だ」
隼人は一瞬自分の目を疑った。
さっきまで「残り時間 三十分」と書いてあった黒板の文字が、「残り時間 二十五分」になっているのだ。
勿論、さっきから誰も教室に入って来てない。
2012/01/19 20:32 No.4
不破優★QYIAlr5rQn_Xlh
「キュイィーーーン」
脳内にとても機械的で頭が痛くなるほどの音が鳴り響いた。
隼人は、あまりの音に耳を塞ぎその場にしゃがみこんだ。
だが、当然の事ながら音が小さく成るはずもなく…
やがて、音が止んだ。
そして次は、男性の声が響きわたった。
「皆さん、二つ目の楽園にようこそ、あなた方のポケットを確認してみてください。」
隼人は自分のポケットを確認した。
ポケットの中には、折りたたみ式のサバイナルナイフが入っていた。
「あなた方はそのナイフで近くにいる人を殺して下さい。制限時間の残りは二十三分です。今教室内にいる人は残り時間が二
十分になりしだい強制排除します。 プチッ」
その音と共に音声は鳴り終わった。
2012/01/20 17:05 No.5
不破優★QYIAlr5rQn_Xlh
「マジかよ」
隼人は、そう言いながらも死えの恐怖から教室を出た。
そして、廊下の突き当たりにある階段を下りようとした時…
階段は地獄と化していた。
いたる所に血が飛び散っており今まであまり気が付かなかったが、少し生臭い。
だが、一つ気になる事があった。
こんなに血が散っているのに、死体が一つも無いことだ。
でも、隼人はそんなことはどうでも良いと言う様に何の躊躇いも無くスタスタと階段を下りていった。
2012/01/20 18:27 No.6
不破優★QYIAlr5rQn_Xlh
隼人は、階段を下りていた。
そこには、沢山の死体が置いてあった。
それは、生命を失いながらまだ人間の形だけをとどめている抜け殻だった。かつて人間存在であったものがこの世に残した
影、残像でしかない。それは、未完成の形からもはや成長することはないのだ。放置すれば、化学的分解の過程によって消え
去っていくのみである。
だが、この非科学的な世界で死体の化学的分解など有り得るのだろうか…
2012/01/20 19:01 No.7
不破優★QYIAlr5rQn_Xlh
隼人は、ある階で廊下に出た。
その階の廊下もやはり真っ暗だった。
だが、廊下の奥から人の気配がする。
隼人は、廊下の奥に歩いて行った。
微かにだが人のすすり泣く声が聞こえる。
そして、廊下の一番奥に人影を見つけた。
その人影に向って走って行く。
汗がびっしょりと付いた手にはナイフを握って。
どうやらその人影は、女の子らしい。
2012/01/20 19:17 No.8
不破優★QYIAlr5rQn_Xlh
隼人は、その女の子の肩を叩いた。
女の子は隼人の方に振り向いた。
その女の子の顔は涙でぐしゃぐしゃになっており元の原型を留めていなかった。
膝には、何かが横たわっている。
「俺の名前は桜神隼人、君の名前は。」
返答は無い…
「君の膝に置いてあるのは…」
その時、隼人は気付いた。
彼女の膝に乗っている物の正体を…
彼女の膝に乗っている物は、、、死体だ。
性別までは分からないが、間違い無くに彼女の膝に乗っている物は死体だった。
2012/01/21 11:18 No.9
不破優★QYIAlr5rQn_Xlh
その時、彼女は初めて口を開いた。
「私の名前は時蔵千穂、膝に置いてあるものは…」
隼人は止めに入った。
「いや、大丈夫言わなくて良いよ」
「え、あ、はい」
こっちから聞いたのに「言わなくても良い」と、言うのは変な話だが…
残り時間 十三分
千穂は、突然こんな事を言い始めた。
「私の膝に乗っているのは、、、友達です。」
「えっ」
隼人は突然千穂が喋り始めた事に吃驚した。
「幼稚園の時からずっと一緒で、結構仲が良かったんです。 けど…」
「けど?」
隼人は、話に入り込みすぎて聞き返してしまった。
「高校生になってから、クラスが別々になって… あまり会わない日が続いたんです。」
「それで、それで」
千穂は、まるで子どものような反応をする隼人に笑いかけてから続きを言い始めた。
「それで、今日は一緒に久しぶりに帰れたんです。けど、久しぶりに話したもんだから楽しくて、、、信号が赤だったの
に、、、渡っちゃったんです。 それで、気付いたら二人ともひかれてて…」
隼人はふと思った。
「同じだ…」
2012/01/21 11:57 No.10
不破優★QYIAlr5rQn_Xlh
「えっ、何がですか?」
「俺も本当は一回死んだ筈なんだ」
その時だ。
又、脳内に音が響き渡った。
「キュイィーーーン」
とても、頭が痛い。
そして、前のように男性の声が響き渡った。
「皆様、残り時間が十分になりました。残り時間が零分になり次第まだ人を殺しておらず学校内に居る人を強制排除しま
す。 プチッ」
2012/01/21 12:17 No.11
不破優★QYIAlr5rQn_Xlh
男性の声が切れ、隼人と千穂の間に長い沈黙が起こった。
その長い沈黙を破ったのは千穂だった。
「あの…私を殺してください」
「えっ」
「いや、あの、私を殺さないと隼人さんが死んじゃいます。」
「俺に君を殺すことなんて出来ない。それに、、、君もそれは同じじゃないか…」
「私なら、、、良いんです。 友達も死んじゃったし…」
「なら良いや、、、このまま二人とも何もしなかったら、、、どっちも死ねる」
「う、うん」
千穂はどこか納得のいかない様子だった。
そして、五分が過ぎ、、、さらに、四分が過ぎた頃、、、。
「キュイィーーーン」
「今度は、何だってんだよ」
「まだ誰も殺していないクズの皆様、残り時間が一分になりました。残り一分で誰も殺してていない場合、強制排除しま
す。 プチッ」
その時、千穂が言った。
「やっぱり私を殺して、、、お願い」
「そんな事、出来る訳な えっ」
千穂は自分の持っていたナイフを隼人に持たせ自分の腹に刺していた。
2012/01/21 13:51 No.12
不破優★QYIAlr5rQn_Xlh
「千穂、お前……何を…」
「これで…いいの……ゲフッ」
千穂は血反吐を吐いた。
「こんなのって…有りかよ」
もうその時には千穂は死んでいた。
「クソッッ――――――」
その時又あの音が響き渡った。
「キュイィ――――ン」
「えっ、嘘だろ、おい、やめろ―――」
「グシャ」(効果音)
隼人は、断面の燃え盛る様な熱さとはち切れるほどの痛みと共に学校から姿を消した。
2012/01/22 16:39 No.13
不破優★QYIAlr5rQn_Xlh
「此処は……何処だ…」
隼人の目覚めた所は、真っ白な空間だった。
何も置いてなく気持ち悪くなるほど真っ白だ。
そして、隼人は寝ている状態から上半身を起した。
「チャリン」(効果音)
「んっ」
隼人は音のした腕のほうを見た。
「何だよこれ」
隼人の両腕は鎖で床につながれてあり、よく見れば足まで鎖でつながれている。
隼人はそんな不自由な状況下で少しでも動けるスペースを取るために、鎖を切ろうと苦難するが…
鎖は思った以上に硬く、隼人の力ではビクともしない。
「はぁー」
隼人は、溜息を吐き、又深い眠りにつくのだった。
2012/01/23 17:57 No.14
不破優★QYIAlr5rQn_Xlh
「此処は……んっ、へっ…マジかよ 何でこんな所に…」
隼人の居たところは戦場だった。
隼人はやな予感がし色々なところを見た。
その予感は的中し、それは地面にあった。
「夢じゃなかったのかよ……クソッ」
隼人の言う「それ」とは残り時間のことだった。
それに良く周りを見ると人も沢山いる。
人数的に言えば半分ほどになってはいるが…
隼人はさっき見た残り時間が気になりもう一度見た。
「残り時間が十五分って……短すぎだろっ」
2012/01/23 18:45 No.15
不破優★QYIAlr5rQn_Xlh
「キュイィーーーン」
「んっ…何だ」
隼人の頭の中を又あの音が駆け回る……しばらくして次に男性の声がなった。
「第一ステージをクリアされた皆様、皆様の今居る場所から三キロ程離れたところに五十本の旗が立ててあります。
その旗を見事取られた方がこのステージの勝者になります。 プチッ」
「マジかよっ……三キロって…」
日頃から運動を全くやっていない隼人にとって三キロはとても長い距離だった。
周りを見ると他の人はもう走り始めている……そしてその走っている人がどんどん爆発して……えっ
「何でだよ…何で皆爆発してんだよ……マジわけ分かんねーよ。」
そして怖がりながらも隼人は先に進む…
隣の人が爆発しても構わず進む…
時々進路を変えながら……
2012/01/26 21:10 No.16
不破優★QYIAlr5rQn_Xlh
「はぁーーー」
隼人は溜息をついていた。
今から三十秒ほど前にあの男から電報が届いたのだ…
残り時間が十分で、俺はまだ五百メートルしか進んでいなくて、残り時間が零分になり次第まだ
旗を取っていない者を強制排除すると……
まぁ、後文は何時もと同じだが…
でも、問題は前文の方だった。
残り時間が十分で一キロ進んでいるならこのぺ−スでも問題ないのだが
五百メートルとなれば話は別だ…
この場でダッシュすれば速くは行けるがそれだけ地雷に引っ掛かる確立が増える。
だが、このあたりに来て地雷の数も減ってきた気がする。
何故かと言うと、近くで爆発する人が少なくなったからだ。
でも、それがまぐれな確立もかなりある…
隼人は決意したように拳を握り締め、徐々にペースを上げていった…
隼人は運よく地雷にあたらづにいたが、微かに百メートルほど先にとても危険なものが見える。
KV−T重戦車(戦車)だ。
隼人は戦車オタだった。
だが、こんな状況でじっくりKV−T重戦車(戦車)を眺めてはいられない。
隼人は全力疾走した。
そして少し前に、少し太っている男の人が見えた。
男の人はとても息が上がっていて苦しそうだ……
隼人はその男の人の隣に行き声をかけた。
「大丈夫ですか?」
「ハァハァッ、ゲフッ、うっうん だ、大丈夫」
明らかに大丈夫じゃない……
その男の背中には何かが背負われている。
良く見ればそれは下半身の無い女の人だった。
女の人の顔はアニメ顔でとても可愛らしかった。
「後ろに背負われている娘はぁ?」
「この娘は、僕の――――――」
「えっ? すみません、良く聞き取れなかったのでもう一回言ってもらえますか。?」
その後、男からの返答は無く隼人は男の居た方を見た。
「あれっ?何処に…?」
男は消えていた。
残っていたのは、真っ赤に染まった肉片だけだった。
隼人は涙を流しながら走っていた。
その涙は隣を走っていた人の死が理由ではなかった。
自分もKV−T重戦車(戦車)に打たれて死ぬかもしれないという死えの恐怖からだった。
「やだぁっ、やだぁっーーーー、まだ死にたくねーよ。」
一回、死んだことを忘れているような発言だった。
隼人は狂ったようにとても速いスピードで荒野を走りぬけていく。
「はぁっ、はぁっ、死にたくねー、死にたくねーよ。」
隼人の眼中に黄色いものが写った。
旗だ。
「やぁっ、やったー!! お、俺生きれるぞーー!!」
「スポッ」(効果音)
旗は土に埋められており、とても簡単に抜けた。
隼人が旗を抜いたのは、残り時間がちょうど一分に差し掛かったときだった。
「キュイィィーーーン」
「お疲れ様です。見事旗を取られましたね。今から貴方には特別ステージにチャレンジしてもらいます。
ルールは簡単、KV−T重戦車(戦車)の中にあるボタンを押せばクリアです。 プチッ」
「はっっっ、マジかよ」
その時、突然視界が真っ暗になった。
2012/01/29 17:34 No.17
不破優★QYIAlr5rQn_Xlh
そして、コンピューターが起動するように徐々に視界が明るくなっていく……
視界がはっきりとした。
「やっ! やっべーー」
隼人の視界にははっきりと見えていた。
奥が霞んで見えるほどだだっ広い荒野に無造作に置かれるKV−T重戦車(戦車)の大群が……
隼人はあまりの恐ろしさ怖気づき数歩後退りし、石に躓き尻餅をつく…
「痛ってーー」
立って尻に付いた砂を払う。
そして、周りを見る……
人が戦車に踏み潰されている。
いやっ、実際に考えてみるとそんなこと、有る訳が無い…鈍間な戦車がそんな?
隼人の後に影が迫る…
隼人はその影に咄嗟に後を振り向く…
「速く…速く逃げないと…」
だが、思うようなスピードが出ない…
「何でだよっ!」
隼人は足元を見た。
足には拘束具がついており両足が繋がっている。
隼人は頑張ってスピードを速めた……
2012/02/02 16:45 No.18
不破優★QYIAlr5rQn_Xlh
「クソッ、クソッ」
隼人は、こけていた。
頑張って立とうとはしているのだが、なかなか立てない…
「やべー、くそやべーよ」
隼人は立つことを諦め後ろを振り向いた。
KV−T重戦車(戦車)が何時の間にか真後ろに来ていた。
そして、隼人の後ろ足をグロイ音を発てて踏み潰していく…
「グチャ、グチャ、@:¥・。、。^:@」(効果音)
「ぐぅー、ぐぎゃーーー、うわっ、ウウゥゥッッッっーーーー、ウワァっーーーー」
足から、大量の血が出て、薄っすらだが血管も空気中に曝されているのが見える。
その時、KV−T重戦車(戦車)がいきなり止まり、隼人のグチャグチャになった足の上に留まる。
「うっーー、うっーーー、ハァハァハァハァはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ」
隼人は、恐る恐るKV−T重戦車(戦車)の上を見た。
2012/02/08 20:13 No.19